Release Date / Mar. 29th 2011
2010年9月、地味ながらもメジャーでリリースされたシングル曲 “Black and Yellow” は数カ月で導火線に着火し、年末には2010年をしめくくるほどの大爆発となった。それまでのアルバム2作はインディーズのアーティストとしては異例の売り上げを作ってきた彼だが、メジャーデビュー作にしてシングル300万枚をヒット、全米チャート・シングル・チャート1位の快挙を成し遂げる助けとなったのは、“Black and Yellow”が彼の地元であるピッツバーグを歌っていたこと。それに加え、丁度その時期にNFLのSuper Bowl XLV(スーパーボウル)で盛り上がっていたPittsburgh Steelers(ピッツバーグ・スティーラーズ)の勝利への期待と重なり、チームのトレード・カラーである黒と黄色のユニフォームとウィズ・カリファの曲が一致。アンオフィシャルながら、チームのテーマ・ソングとなってしまった。(それに対抗し、Lil Wayneが対戦相手となったGreen Bay Packersのトレード・カラーを用いた“Green and Yellow”をミックス・テープでリリースし、グリーンベイ・パッカーズの応援に回った)。スティーラーズのカラーにドンピシャではあるが、実はこのリリックは全く違うことを歌っているのも一応お伝えしておく。さて、今やピッツバーグ市の象徴的な存在となったカリファだが、実は幼少期は親が軍人だったために転勤が多く、ドイツや日本にも住んでいたことがあるという。彼の祖父がイスラム教だったため、アラビア語でKhalifa(後継者の意味)とWiz(知恵のWisdom)を彼に命名したとのこと。そしてビルボードの「Smokin’ Songs about Weed」でも選ばれた様にアルバム・タイトル「Rolling Papers」はアレについて(ジャケットから想像するべし)の話題も多く、しかしその草の意味する以外にもリリックを書くときに紙を使わずに、フィーリング重視のライミングに変えたこと(つまり紙は丸めてしまったということ)、以前の契約先であるワーナブラザーズとの関係が解約となたことで、契約書を丸める・・・といったトリプル・ミーニングを持っていることを明らかにしている。いずれにせよ、昨年の早い時期から個人的に大プッシュしてきたアーティストだけに、彼のリリースと成功を手放しで喜びたい。
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