Silk Sonic / An Evening With Silk Sonic

Release Date / 12 Nov. 2021

久しぶりにワクワクする作品に出会った。いや、まさか2021年/下半期のミュージックシーンの後半ともなる季節に今年度のベストアルバムの大本命がドロップされるとは。もうお分かりだろうか?本稿の主役は、ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークの唯一無二の才能と才能を掛け合わせたスペシャルユニット = Silk Sonic だ。この2人の合計でグラミー賞14冠という何とも贅沢な組み合わせのユニットは、既にシングルチャートを賑わせた “Leave The Door Open” 、続けて7月に発表された “Skate” の2曲で音楽愛に満ち溢れた濃ゆ〜いフレイヴァを振りまいていたので、好事家ならずともアルバムを期待してしまう程の存在感をシーン内外に示していたのだが、時は2021年11月。遂に Silk Sonic の2人はユニット初のスタジオ・アルバムとなる『An Evening With Silk Sonic』をリリースしたと言う訳なのだ。

もうね。このアルバムは理屈抜きで楽しんで貰いたい。ソウルフルだとか、ファンクネスだとか、ブラックミュージックの旨味成分が全て詰まった作品だと断言する。あの美メロの代名詞である松尾 “KC” 潔氏に「R&Bファンにとっての御馳走」とまで言わせたアルバムだ。そりゃ格好いいに決まってる。全9曲と言う少なさもあるのだが、収録曲に捨て曲無し。シングルカットされた2曲は勿論の事、ユニット名の名付け親でもあるブーツィ・コリンズが参加した “Silk Sonic Intro” や “After Last Night” 、また全世代のリスナーの身体を問答無用でバウンスさせる勢いの “Fly As Me” 、70年代のディスコにタイムスリップしてチークタイムに流してみたい “Smoke Out The Window” など、全ての曲がシングルでも間違いない程のクオリティなのだ。流石にこの完成度のアルバムは毎年出てくる様な代物ではなく、個人的には一足早くクリスマスプレゼントを貰ったくらいの気分だ。いや、きっと皆さんもそうでしょう?敢えてもう一度言うが、今作にはブラックミュージックの旨味成分が全て詰まっている。
DJ YU-1

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