Release Date / 26 March 2021
2019年にリリースした『Ghetto Gospel』、また昨年の『Pray 4 Love』と、デビューから立て続けにビルボードのTOP 10に自身のアルバムを送り込んできたのは、RepフロリダのMC = Rod Wave。ビギーやBIG PUNの系譜とも言えるパンチの効いたビジュアルや、その風貌に似つかわしくないメロディアスなフロウも含めて、今一番目が離せないラッパーの1人である。そんな彼が先日ドロップした3rdアルバムが今作『SoulFly』だ。これで2019年のデビュー以降、休む事なく一年置きにアルバムを発表している訳だが、どうやらRod Waveのヒップホップの進化は留まる事を知らない様子で・・・・もう結論から言うと、リリックで扱うトピックスからトラックのチョイスに至るまで隙がないのだ。またデビュー3作目のアーティストにしては可愛気が無いくらいに風格があるのだが、聴けば納得の完成度の高さには素直に脱帽した。
まずは、R&B/ラップ・ソングチャートにて今作から最高位を記録した“Street Runner”を皮切りに、警察の暴力行為を暗に揶揄したリリシスト振りが冴え渡る“Tombstone”、今作では最多となる7曲の制作に関わったTnTXDが手掛けた中でも珠玉の出来栄えだったタイトル曲“SoulFly”、そしてゲストに迎えたPolo Gとの相性もバッチリだった“Richer”を始めとした全19曲には捨て曲ナシ。それこそ、どの曲をシングルカットしてもそれなりのプロップスを得そうなくらいのクオリティを誇る今作『SoulFly』だが、最新のビルボード・アルバムチャートでは先週のJustinを引きずり落として初登場1位を獲得したとのニュースも入ってきた。これは実は彼自身にとっては初の快挙となるが、まだまだこれからセールスを伸ばして行きそうな所が末恐ろしいではないか。昨年の話題で言えばPop SmokeとJuice Wrldの遺作がブーストをかけたヒップホップ・シーンだが、2021年はRod Waveが全てを掻っさらうかも?少々気が早いが、それくらいの勢いを感じるアルバムだった。
DJ YU-1