THE INTERNET / Hive Mind

Release Date / 20 July 2018

なんて掴みどころの無いバンドなんだろうか?女性シンガーのシド・ザ・キッドを中心に構成された5人組バンド = ジ・インターネット。果たして彼女らのバックグラウンドはR&B?それともネオ・ソウル?またはトリップホップ?・・・かと思えば、奇才ラッパーとして名高いタイラー・ザ・クリエイターが率いるヒップホップ集団 = オッド・フューチャーの一員であったりもする。このように何とも言えない音楽感を持つジ・インターネットであるが、一つ言えることはこのバンドが織り成すサウンドは間違いなく恰好良いということだ。その証拠に2015年に発表した前作「Ego Death」が第58回グラミー賞で〈最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム賞〉にノミネートされて以降は世界的な高評価を受け、各メンバーのソロ・アルバムのリリースへと繋げたジ・インターネット。今年で言えば年頭の来日公演が即ソールドアウトを記録した事も記憶に新しい。そして同バンドが、およそ3年振りに発表した通算4枚目となるスタジオ・アルバム「Hive Mind」の出来栄えはどんなものだろうか?そりゃもう、もちろん期待通り!いや、それこそ自称評論家や批判的な耳年増達の遥か上を行くシドのセンスにすっかりやられてしまったくらいだ。まず「Hive Mind」に先駆けて発表されたシングル‘‘Roll(Burbank Funk)’’でのビートなんだが、ここでオールドスクールの教科書とも言えるガズの‘‘Sing Sing’’を大胆に引用している時点で筆者はK.Oされてしまった。まさか、のっけからブレイクビーツの王道を行くなんてね。ジ・インターネットを下手にジャンル分けしようものならヤケドするという事か(笑)しかし、続けてリリースした‘‘Come Over’’では浮遊感のあるトラックにシドならではのボーカルが乗る彼女達の本来の姿を披露したりして聴き手を揺さぶる。やはり掴みどころの無いバンドだなぁと思って聴いていたら、あっという間に2周目に突入していたりして。ああ、成る程。ジ・インターネットのサウンドの妙は、この中毒性にあったのね。
(DJ YU-1)

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