Ozuna / Enoc

Release Date / 4 Sep. 2020
2020年の話題で言えば、世界的なヒットを記録したBlack Eyed Peasの”Mamacita”への客演が記憶に新しいOzuna。この件に関して誤解を恐れずに言えば、今やラテン・シーンに及ぼす影響力は永くブランクのあったBlack Eyed Peasよりもキャリアのピークを迎えているOzunaの方が持っていると言っても過言ではなく、その辺を考慮するとYouTubeにおける”Mamacita”の1億8千万回再生という途方もない数字もOzunaによる功績が大きいと受け取れる。そんな現行のラテン・シーンの雄 = Ozunaが満を持してドロップした新たなスタジオアルバムが『Enoc』である。このOzunaによるプエルトリカンらしいアルバムは大方の予想通り王道のレゲトンビートが全編に渡って鳴り響き、彼のハイトーンボイスとレゲトンの相性の良さを改めて再確認した次第だ。またこれは筆者の持論でもあるのだが、この手の作品にトラックが何だとかサンプリングネタが何々だとか、あーだこーだ理屈を並べるのは野暮だと思っている。もうね、こんな鯔背(いなせ)なアルバムは水着に着替えてビーチでアルコールでも入れながら無心で聴くのが正解なのだ。ほら?余計なことを考えないで聴いていたら楽しくなってきたでしょ?(笑)まぁ、今作『Enoc』に関して強いて何かを言うとしたら、シングルカットされた”Caramelo”がしっかりと米・シングルチャートでトップ20入りしているだとか、ゲストで参加したArcangelや Zion & Lennox、フィメールMCのDoja CatにシンガーのSia達が間違いない仕事をしてくれたとか、確かに見所も多い作品ではある。だが、やはり理屈で語るのでは無く、ひたすら無心で楽しむべきアルバムなのだと断言しておこう。そして最後に1つ注文をつけるなら、今作のリリースは9月ではなく7月の頭くらいだと日本の四季的にもバッチリだったりして?いや、そんな事は中南米の人達からしたら些細なことかもしれませんが(笑)それはともかく『Enoc』は来年の夏でも楽しめる熱〜いアルバムである事は保証する。という訳で来年の夏は自粛ではなく、多くの人がビーチで音楽でも聴きながらバカンスを楽しめます様に。
DJ YU-1

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