KEM / Love Always Wins

Release Date / 28 Aug. 2020
ヒップホップのみならずR&Bシーンにおいてもサンプリングビートが主流になっている2020年現在。それでも幾多のアーティストがアンプラグドでのライブ音源の発表にチャレンジしているという事は、やはり人々は何時の時代になっても生音の美しさに魅了されているという何よりの証拠だろう。かくいう筆者も専門分野はヒップホップであり、サンプリングビートの強い支持者でもあるのだが、それでも生音のライブ映像を見る度に目を奪われてしまったりする。そりゃもうね、かのローリン・ヒルだったりJay-Zクラスのアーティストでも素晴らしいアンプラグド音源を発表しているくらいなのだから、生音による演奏が素晴らしいなんて事は今更説明するまでもない事実なのだ。そんな中、デビュー18年目にして名門レーベルである「Motown」の看板を生音のサウンドで背負い続けたベテランシンガーが”スム〜〜ス”なアルバムを発表したので紹介したい。勘の良いリスナーならもうお分かりだろうか?そう、本稿の主役はシンガーソングライターであるKEMが発表した通算6枚目となるアルバム『Love Always Wins』だ。早速結論から述べさせてもらうが、今作の事は生音によるR&Bの教科書だと断言しておこうじゃないか。特にこの手のジャンルを志す若手ミュージシャンには必聴と言っても良いくらいで、先行シングルの”Lie to Me”を皮切りに”Not Before You”、”Lonely”、”Praise”、またタイトル曲でもある”Love Always Wins”、トニ・ブラクストンを客演に迎えた”Live Out Your Love”と、美しい演奏によるトラックとKEMが作りだす珠玉のメロディラインのハーモニーが随所に散りばめられている。この完成度の高さにはケチのつけようが無く、改めて名門「Motown」の懐の深さを見せつけられた思いだ。これぞベテランの矜恃(きょうじ)。
DJ YU-1

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