Release Date / July 3rd 2012
2011年4月にリリースした「F.A.M.E.」では意外にも成し遂げていなかった全米アルバム・チャート1位を獲得。そして自身のキャリア初となる音楽界の最高峰、グラミーアワードにて「最優秀R&Bアルバム」を受賞、収録曲の”Look At Me Now” は「ベスト・ラップ・パフォーマンス」と「ベスト・ラップ・ソング」にノミネートされるほどの大作となった。その結果を生みだした影には2010年から立て続けに放ち、仕掛けを作った「In My Zone」等ミックステープでのプロモーションが功を成したと言える。そんな期待がプレッシャーとなるはずの5作目だが、今回もミックステープ「Boy In Detention」から右腕であるKevin McCallとの“Strip”が早くからラジオでヒットとなり、2012年2月からは更に攻撃を開始“Turn Up The Music”を始め、アーバン・リリースの“Sweet Love”、“Till I Die”と次々にシングルを放った。現在はハウス界の巨匠Benassi兄弟が制作“Don’t Wake Me Up”がヒットチャートへ向け待機中、バネを押し込んだ箱から飛び出しそうな状態で影を潜めている。この曲に関しては惚れ込んでいるので説明させていただくが、時代を象徴するようなシンプルな曲であるのに対し、DJ的な手法で制作され、特に歌への演出効果としてエフェクトを自在に組み込んでいるところは、今後のシーンでも多様されるであろうアイディアだ。他にも印象的なのは変則的で耳に残る電子音が特徴の“Bassline”。ヒップホップ界のPop Wanselが手掛けている割にはダブステップの要素も取り入れているから意外だ。若干オールド・スクールさを感じさせるNasゲストの“Mirage”。個人的には本作のハイライトであり歌詞が素晴らしい“Don’t Judge Me”から女殺し系“2012 / 2012”へ続くスローソングにはノックアウトされた。いずれの曲も彼の成長ぶりから湧き出るほどの説得力で歌い込み、聞いているだけでその世界へと誘拐され、惑わされてしまうほどの錯覚を起こす。デビュー当時から彼を知っているファンにとっては、まさに彼自身が少年から大人の男へと成長したことを知らされることになるだろう。そして気になるゲストはフィーチャー・アーティストが非常に少ないところに、彼の秘蔵っ子として期待の高いシンガー、Sevynがボーナス・トラックを含め3曲で参加。“Trumpet Lights”ではエフェクトやフィルターをたっぷり効かせた、全く新しい発想のブッ飛びトラック。日本盤のボーナス・トラック“Your World”はビートの良い爽快でキャッチーさがステキ!
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