Roddy Ricch / Please Excuse Me for Being Antisocial

Release Date / 6 Dec. 2019

まだ、22歳だったのか・・・若いなぁ。
こいつは未来のスター候補というか、近い将来シーンを代表するラッパーの1人になる事は間違い無いだろう。という訳で今週はカリフォルニア生まれでアトランタ育ちのMC = ロディ・リッチの記念すべき1st.アルバム「Please Excuse Me for Being Antisocial」を紹介したいと思う。耳の早いリスナーならロディ・リッチの存在は既にチェック済みであろうが敢えて説明させてもらうと、ロディは今は亡きニプシー・ハッスルにフックアップされるとヒットシングルとなる”Racks in the Middle”に参加。またDJマスタードの”Ballin”にも参加すると、この客演した2曲が同時に2020年グラミー賞のBest Rap部門にノミネートされるという豪運ぶりを発揮する。いや、豪運なんて表現はロディ・リッチに対して失礼だったか。筆者個人としても若い割にはマンブルなフロウに頼らず、しっかりライムをキックするロディ・リッチのスタイルには非常に好感を持っており、今年のグラミーへのノミネートは決して運なんかではなく実力で手繰り寄せたものだと推測する。その実力はビルボードのシングルチャートで自身初となるトップを獲得した”The Box”を聴いても明らかだ。そして、この”The Box”も収録されたデビューアルバム「Please Excuse Me for Being Antisocial」もまた絶好調な様子。デビューアルバムにしてビルボード・チャートで1位を獲得すると、目下13週連続でトップ10をキープするという売れっぷりなのだ。ちょっとデビュー作にしては売れ過ぎな気もするが、その中身を聴けば納得の充実ぶりなのだから恐れ入る。そう、今のシーンの気分にドンピシャなトラップ達に乗るのはロディのストレートなリリックで、ストリートの生活から抜け出して豊かな暮らしを得る為にはラップしかないというロディの強い言葉がどれだけのヘッズに刺さったのだろうか?また幸か不幸かロディをフックアップしたニプシー・ハッスルの死が今作をよりドラマティックなものに昇華させた様な気がしてならない。まさに売れるべくして売れた感のある「Please Excuse Me for Being Antisocial」だが、ロディにはこれを機にストリートのスリリングな生活から是非抜け出してもらいたい。今後のシーンの為にも、もうニプシー・ハッスルの様な悲劇は繰り返してはならないのだから。
DJ YU-1

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