Release Date / 3 Aug. 2018
LAはコンプトン出身で、デビュー前は西海岸最大のギャング組織であるブラッズの構成員。ウェッサイのラッパーとしては文字通りのエリートコース?とも言える出自を誇るラッパーがYGだ。勿論この経歴は御飾りなんかでは無く、ギャングスタラッパーとしては王道を行くキャリアを歩んできた。本来は盟友であるはずのDJ マスタードとのビーフに始まり、2015年にはレコーディング中に銃撃に襲われながらもなんとか生き延び、翌年の2016年には政治関連のラップソングとしては過去最大の問題作であろう‘‘FDT(Fuck Donald Trump)’’をリリースと、西海岸のギャングスタらしいと言えば、らしい活動を展開してきたYG。いや、しかし時代が90年代ならいざ知らず、ヒップホップが普段からポップスを聴くような層にまで浸透してきた2010年代となった今ではYGのスタイルは、いささかヤンチャ過ぎるのでは?と、いらぬ心配をしていたのだが・・・どうやら約2年ぶりのスタジオアルバムとなる今作「Stay Dangerous」で、そんな心配は吹き飛ばしてくれたようだ。そう、いかにリリックで扱うトピックスが危ういものだろうとも、しっかりと聴かせるライムとフロウを持つラッパーがYGなのだ。更には関係が回復し、共同でレーベルまで立ち上げたDJ マスタードが全15曲中、10曲をプロデュース。このトラック達が、いずれもタイトでありYGのラップをより引き立てる。うーん、この男は流石にただの不良自慢では無かったか。正直に言って前作でいうところの‘‘FDT(Fuck Donald Trump)’’の様な〈これぞキラーチューン〉と呼べるような一曲は今作からは見当たらないが、作品としての完成度は今作「Stay Dangerous」の方が高いのではないか。もちろん和解したDJ マスタードの手腕や旬なゲスト陣による力も大きいのだが、YGのラップのトラックへアプローチも大幅にアップロードされている。現に「Stay Dangerous」はビルボード・アルバムチャートで初登場5位と上々のスタートを切っているではないか。って、あれ?8月18日付けのアルバムチャートって1位から8位まで全部ヒップホップ勢で独占されている!?実はこれは米Billboard誌によると史上初の出来事だそうで。それどころか最近のヒップホップの勢いだと、いずれトップ10全て独占なんてことも有り得たりして?・・・想像しただけで体が縦に揺れちゃうよ(笑)
(DJ YU-1)
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