Kanye West / Jesus is King

Release Date / 25 Oct. 2019

また・・・これは・・評価が本当に難しいアルバムである。いや、グラミー賞にて通算21冠を誇るカニエ・ウェストのシーンに対する貢献度は今更語るまでも無いし、当然の事だが全世界中のミュージック・ラバーにカニエの印象を聴けば一流のヒップホップのアーティストという認識で間違いは無いだろう。そんなレジェンドMCの一角でもあるカニエが私生活では熱心なキリスト教徒である事は周知の事実だと思うのだが、この度の一番の問題はカニエ・ウェストという男が世の中のヘッズ達が感じていた印象よりも遥かに〈神〉という存在にゾッコンだったという所ではないか?なんでも急にゴスペル以外の音楽は作らないと言い始めたカニエさん(笑)彼のお付きの牧師に言わせると「カニエはラップを辞めたがっている。何故ならラップは悪魔の音楽だから。」ですって!これ、仮に日本人のアーティストが発言したら連日ワイドショーで洗脳疑惑が報道されるレベルの話では?まぁ、実際にはラップを完全に辞める事は無く新たなスタジオアルバム「JESUS IS KING」をドロップしたカニエだが、この最新作がギリギリのラインを行ったり来たりしているでは無いか!もう単純に〈ヒップホップっぽいゴスペル〉と〈ゴスペルっぽいヒップホップ〉のモヤモヤした感じが全11曲。この11曲のうちタイトルに”God = 神”が入る曲が4曲。一体どうしてしまったのか本当にギリギリのラインを攻めたアルバムなのだが、聴いていくうちに音楽的にはアリなのではと思わせる中毒性があるからタチが悪い。例えば今作の中でも比較的ヒップホップのフォーマットに乗っ取った”Follow God”や”On God”などの曲ではしっかりとラップを聴かせてみたり、また完全にヒップホップを離れた感のある”Water”、”God is”、”Jesus Is Lord”も〈カニエ = ヒップホップ〉という先入観を捨てて聴いてみると素晴らしい楽曲だと認識してしまうくらいだ。実際にこの「JESUS IS KING」は全米のSNSでも賛否両論の嵐で波紋を呼んでいるのだが、最新のビルボードチャートでは初登場1位を獲得してしまうあたりは流石と言うか、〈ゴスペル × ヒップホップ〉としては一応の結果を出した形のカニエ。だが、今度はキリスト教徒において最大のイベントであるクリスマスに「JESUS IS BORN」と言うタイトルで再びゴスペルのアルバムを発表するプランをブチまけてしまったでは無いか(笑)もちろん信仰は個人の自由なのだが、これからもずっとこの作風を貫くのかな・・・?今作も音楽的に素晴らしい作品である事に間違いは無いのだが、ヒップホップとしてCLUBのダンスフロアを沸かせる様な代物でも無い事は確かだ。

DJ YU-1

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