Zaytoven / Trapholizay

Release Date / 24 May 2018

ここ数年、ヒップホップシーンを大いに引っ掻き回してきたサウス勢。アトランタを代表するMCのフィーチャーを始め、飛ぶ鳥を落とす勢いのグループ = ミーゴズにメトロ・ブーミンや21サヴェージと、ヒットチャートのどこを見渡してもサウス産のアーティストの名前を見ない日は無いくらいで、この勢いは一大ムーブメントと言っても過言ではないだろう。そんな中、サウス勢の真打ちとも呼べる男が遂にデビュー・アルバムをドロップ!いや、ゼイトーヴェンに関しては、これまでも数多のアーティストの作品にてクレジットが確認できたので、今作が自身名義のメジャーデビュー作という事実には驚かされた。
そんな彼の記念すべき1stアルバムのタイトルが「Trapholizay」。このタイトルからしてゼイトーヴェンのみなぎる自信が伝わってくるし、コアなリスナーならタイトルから内容も想像頂けるのでは?そう、2000年代に確立された・・・所謂、マニー・フレッシュやリル・ジョンなどのサウスラッパー独特の無機質なサウンドは〈トラップ〉と呼ばれる手法で、この〈トラップ〉をネクストレヴェルに引き上げたプロデューサーこそが、今作を手がけたゼイトーヴェンなのである。そして、今作「Trapholizay」はタイトルに〈トラップ〉を冠しているくらいだ。その内容はまさにサウス・オールスターズ!!
グッチメインをゲストに迎えた‘‘Intro’’から幕を開ける今作は、ベテランMCのリック・ロスのフロウが冴え渡る‘‘Go Get The Money’’や、T.I(サウスレジェンド!)にオフセット、コダック・ブラックによる渋めの‘‘Show It’’、更にはゼイトーヴェンの盟友でもあるフィーチャーが‘‘Boot Up’’、‘‘Mo Reala’’の2曲に参加と、どこを切り取ってもアトランタの熱風の様な〈トラップ〉の嵐。もちろん主役はゼイトーヴェンで、打ち込み主体の他のサウス系プロデューサーとは違い、手弾き主体で制作された彼のトラックは唯一無二のサウンド。このトラックがあるからこそ、アクの強いラッパーが何人参加しようともアルバム自体がまとまりを欠く事な無いだろう。個人的には今作「Trapholizay」は、サウス・ヒップホップの完成形の一つだと思う。
(DJ YU-1)

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