Travis Scott / UTOPIA

Release Date / 28 July 2023

2018年に大ヒットした『Astroworld』以来、ニューアルバムの発表までに5年もの歳月を費やしてしまった Travis Scott。いや、実は今作『UTOPIA』は昨年の夏には大半の楽曲のレコーディングを終えていたとのリークもあり、やはり2021年に起きてしまった〈Astroworld Festival〉の死亡事故の影響から余儀なくされたプロモーション活動の自粛によるアルバム発表の遅れと見て間違いないだろう。と、前置きはこの辺りにしとくとして、正に満を持してドロップされた今作『UTOPIA』。既にゲストとして参加した The Weeknd や SZA、Bad Bunny らのアーティストがSNS上にて Travis Scott との競演を匂わせる投稿を上げ始めたり、NIKEのエアフォース・ワンと『UTOPIA』のコラボレーションモデルのシューズが発表されるなど、盛り上がりを見せ始めているのだが、事の本質はそこでは無いと見ている。

そう、筆者の耳には今作のサウンドがネクストレヴェルを模索して制作されたアルバムに聴こえて仕方ないのだ。もうね。トラップでもブーンバップでも無いサウンドにトライしているんじゃない?そりゃあ当然、自分の名もしっかりとプロデューサーとして全曲にクレジットされているのだから、ビートのチョイスには自身の拘りが投影されていると思われる。とは言え、やはりトラップに寄せたトラックが多めに感じる気がする今作。なので敢えて個人的に感じた変化球をチョイスしていくと、まず冒頭で気になった部分は、カニエのキリスト信仰をモロに感じる “THANK GOD” だったり(カニエはもう普通なヒップホップはやらないのかな?)。または “MODERN JAM” や “DELRESTO(ECHOES)” のエレクトロポップさだったりする。(ちなみに “MODERN JAM” は、ちょっとアフリカ・バンバータぽくないですか?)と、一聴しただけでは難解なサウンドが続くと思いきや、Draek をフィーチャーした “MELTDOWN” , または Young Thug をゲストに迎えた “SKITZO” あたりではいつも通りのクールな Travis Scott の様にも感じられて気が抜けない。また、日本でも非常に評価が高い Westside Gunn が参加した “LOST FOREVER” のアブストラクト感も非常に面白く、なかなか楽しめるアルバムなんじゃないかと思われる。そして、最後に気になった楽曲を挙げるとするならば Bad Bunny , The Weeknd と競作した “K-POP” か?この時事ネタ的なタイトルだけみれば昨今のK-POPブームを揶揄するリリックを描いているのかと思いきや、K = ケタミン(薬物)に見立てたドラッグネタの歌でした。。。いや、流石に意地悪なダブルミーニングは無いと思うけど、一部の声のデカい団体からは疑問視されそうなネタ使いですねぇ。

ともあれ、これだけのメンツとカオスなアルバムを作り上げたならば YouTubeやらSNSやらの再生数や閲覧回数だけで、ウン十億の利益を叩き出しそうな予感がする『UTOPIA』。しかしながら今後の評価はまだまだ未知数なのだから、あと数回はリピートして様子を見るとしようか。(まぁ普通に売れるんだろうけども)

DJ YU-1

PAGE TOP