The Weeknd / After Hours

Release Date / 20 Mar. 2020

iTunesチャートでは世界80ヵ国以上で1位を獲得するほど大ヒットした前作「Starboy」から早くも4年が経過したシンガーソングライターのウィークエンド。これまでのキャリアからの多作ぶりを鑑みると今作の発表までの4年というスパンは、やや長く感じられたのだが、その間に溜め込んだイマジネーションを今作で一気に解放した印象を受ける。いや、むしろダフトパンクやケンドリック・ラマーがゲスト参加した事によりエンターテイメント作品としての聴きやすさを万人にもたらした「Starboy」と比べると今作「After Hours」のサウンドは非常に先鋭的なもので、万人ウケと言うよりかは聴き手を選んでしまうという危険性を感じてしまったくらいだ。そう、1週目を聴き終えた直後までは。
もうね。。。2週目からは「After Hours」の虜になってました(笑)そんな今作を語る上でまず外せないのが、メトロ・ブーミンが昨年の11月に手掛けた先行シングル”Heartless”で間違いないだろう。重厚なバスドラにオルタナティブな空気感が伝わってくる同曲はウィークエンドのハイトーンボイスと刹那的なリリックが突き刺さる1曲。この”Heartless”を聴いた時点で前作よりも少々重たい世界観が垣間見れたのだが、「After Hours」本体では良い意味で予想を裏切ってきた。アルバム冒頭でこそ”Too Late”や”Snowchild”の様な曲で先行シングルである”Herstless”同様にオルタナティブなR&Bを響かせた今作だが、アルバム中盤以降の”Blinding Lights”や”Save Your Tears”といった楽器では80年代の成長期のアメリカの勢いを体現するようなポップさも披露。この収録曲達の振れ幅の広さには1週目の時点では疑問符が付いて回ったのだが、先述の通り2週目からは虜になってしまった次第である。この感触は、なんとも不思議なアルバムだと思いながらも格好イイんだよなぁと思っていたら、今作「After Hours」は最新のビルボード・アルバムチャートでは初登場1位ですって。無論この結果には納得しているのだが、まだモヤモヤしてたりもして(笑)
あぁ今作は、やっぱり格好イイんだ!と、思うと同時に少し不思議な感覚を持った事も事実であります。この感触は聴いた人の解釈にも左右されそうだが、現代のR&Bとして非常に洗練された1枚である事には間違いない。いや、さっきも言ったけど2週目からメチャクチャ格好イイんだから!
DJ YU-1

PAGE TOP