D.L / D.L Presents FREEDOM JAZZ FUNK MELLOW STORM

Release Date / April 2 2015

日本語ラップファンには説明不要のレジェンド、D.Lことデヴ・ラージ。ニューヨークでDJとしてキャリアをスタートさせ、現地でブッダブランドを結成。帰国後もMC兼トラックメイカーとして日本のHIP HOPシーンに多大な影響を与えてきた。そのD.Lによる新たなMIX CDプロジェクトFREEDOM JAZZ FUNKの第2弾となるのが今作「D.L Presents FREEDOM JAZZ FUNK MELLOW STORM」。古くからのD.Lファンにとっても良質なグルーヴを好むコアなリスナーにとっても注目の作品と言えるだろう。
 
そんな今作だが、まさにDJの原点とも言える内容となっている。最近のMIX CDにありがちな派手な演出や名前を連呼するジングル等は一切なし。そこにあるのはD.Lとターンテーブルによる一対一の対峙のみだ。ブッダブランドのMCとしてのイメージが強いD.Lだが、過去のインタビューでの発言を聞く限りではトラックメイキングやサンプリングについて言及する事が多く、「ネタ掘り師」としての側面がかなり強い。実はラップよりもトラックメイキングに重きを置いているような節さえある。そんなD.Lが長年のキャリアの中で掘り続けてきたヴァイナルコレクションから選りすぐりの選曲をするのだからドープになるのは当然と言えば当然か。今作の序盤では文字通りメロウなJAZZからスタートし、後半にかけて徐々にアップテンポな曲にシフトしていくのだが、全体を通して世界観は統一されており「MIX一枚で一つの曲」として聴く事をお勧めする。普段HIP HOPを聴かないようなリスナーの反応が見てみたくなる一枚だ。HIP HOPが持たれがちなネガティヴな偏見を簡単に吹き飛ばしてくれるに違いない。余談だがブッダブランドの名曲‘‘ブッダの休日’’の元ネタであるJoe Thomasの‘‘Coco”が収録されているのは昔からのブッダファンには嬉しい演出。
(DJ YU-1)

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