Erykah Badu / New Amerykah Part Two : Return of The Ankh

New Amerykah Part Two: Return of the Ankh
Release Date / Mar. 30 2010
前作「New Amerykah Part 1:4th World War」から 2年ぶり5作目のスタジオ・アルバム。政治的諸問題を唱えた前作に比べ、本作ではより個人的な人々との関係を描いた作品と関連付けているようだ。続編である本作は「Return of The Ankh」と名付けられ、彼女の説明によると「前作とは密接につながった作品になっているの。前作が左側の脳を司り、自分の考え方が政治的な過程を通じて物事を解読する事に対し、今作はもっと感情的で気持ちを解放した右脳部分にあたる。まるで ‘Baduizm’ をリリースした時のような自由なビートやライムで溢れている。」とは言え、本作から先行リリースされた「Window Seat」のビデオ・クリップはあまりにも衝撃的。心の準備をしないで初めて見た時は、度肝を抜かれてしまう。あのPVが彼女の右脳的な部分だとするなら、やはり人並みではない感性の持ち主ということが証明される。彼女のこれまでの作風と明らかに違う取り組みとして、多くのサンプリングと生楽器を融合させている点が挙げられる。”Turn Me Away (Get Munny)”ではドラム、ギター、ベースなどの楽器がロイ・エアーズ制作Sylvia Striplin 作品の ‘You Can’t Turn Me Away’ をそのままサンプリングに合わせてプレイしている他、Lil Wayne(リル・ウェイン)とBilil(ビラル)が参加した”Jump Up in the Air (Stay There)” でもP-Funk の ‘Hydraulic Pump’ 、意外なところではポール・マッカートニーの”Arrow Through Me” をそのまんま使いと、アルバム12曲中7曲がサンプリングによる曲作りで活用されている。作品には旧友で今は亡きJay Deeとの共作「Love」も収録。核となる制作陣には長きパートナーのJames Poyser(ジェームス・ポイザー)を始め、9th Wonder(ナインス・ワンダー)、Madlib、SA-RA Creative Partnersなど。個人的に注目なのはエリカ以上に音楽的に個性を持つ洗練されたアーティストGeorgia Anne Muldrowのクレジット。聴きごたえたっぷり、ずっしりと重みを感じる一枚となっている。衝撃的な「Window Seat」ビデオ・クリップはエリカ・バドゥのオフィシャル・サイトからチェック。http://www.erykahbadu.com/

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