Release Date / Jan. 17 2012
世界に最も近い日本人アーティストとして是非とも応援したいダンス界の大物、スティーブ青木さん念願のオリジナル・スタジオ・アルバム。本人的には疲れる肩書きだろうが、彼をまだ知らない人のために説明すると、既に他界している親父は1960年代に全米に外食チェーン「BENIBANA」を手掛けアメリカン・ドリームをモノにした資産家。妹は16歳でヴェルサーチのモデルを務めたと言うスーパーモデル、デヴォン青木である。映画「ワイルド・スピード」などにも出演する女優なので、皆さんも良くご存じかと思う。さて、本作は前回2008年にリリースしたリミックス・アルバム「Pillowface and His Airplane Chronicles」に次ぐ作品。日本人にもお馴染のロックバンドFranz FerdinandやBloc Partyと言ったアーティストのミックスも収録されており、一部のコアな人々限定で知れ渡っていた。本作もTravis Barkerが参加するなどロック色は所々に散りばめられているが、それよりはエレクトリックなサウンドに的を絞り、世界のダンス・フロアに向けて発信を促しているように思える。リリース元は自身が創立し今年で16年目を迎えるレーベル“Dim Mak Records”からで、今回の人脈はレーベル・メイト以外にも幅広いメンバーが抜擢されており、中でもLMFOやLil Jon、Wynter Gordon、Kid Cudiと言ったメジャーどころともヴィジョンのブレを全く見せないサウンド・メイキングは極めて異端児の才能。最も注目したい曲は、出来過ぎた謎のフィーチャー・アーティストZuper Blahq(実はウィル・アイアムの別名)が放つキラーチューン“Dangerous”は恐らくシングル・カットされるハズなので、チャートの動向を見守りたい。ロックバンドWeezerのRivers Cuomoのフィーチャー曲“Earthquakey People”は幕開け曲としてインパクトが強く、こちらも好印象。カナディアンのポップ・シンガー、Kayを迎えBlaqstarrと共にデュエットの“Control Freak”、日系ブラジル人のエレクトロ・アーティストLovefoxxxの“Heartbreaker”世界の枠を超えた参加陣と共に創り上げたワールドクラスのダンス・ミュージックがここに詰まっている。
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