T.I. / No Mercy

Release Date / Dec. 7th 2010
ノー・マーシー/非情のストリート(初回限定バリュー・プライス)
キング・オブ・サウスことT.I.の7作目となるスタジオ・アルバム。2010年3月に銃の不法所持で1年間の服役から釈放されたのもつかの間、8月に全米で公開となった映画「Takers」(主演マット・ディロン)ではメイン・キャスト以外に自らプロデュースにも関わるなど、精力的に表舞台への復帰を果たした。アルバムの先行シングルとしてリリースされる予定だった?“Got Your Back ”(フィーチャリングにKeri Hilson)や出所直後にリリースしたシングル“I’M Back”などの話題作は既にクラブヒット済みだが、本オリジナル盤には未収録(日本盤にはボーナスとして収録されるらしい)。それに加え2010年初夏に異例のストリート・スマッシュとなったミックステープ「Fuck a Mixtape」に収録の“Yeah You Know”、Lil Wayneをゲストに迎えた“Yeah”、そしてYoung Jeezy をフィーチャーしたNo Competition等、話題作が多かっただけに、一体どんなソングリストを並べてくるのだろう?と本作への期待も大きかったに違いない。実際10月下旬にオフィシャルでリリースされたシングル“Get Back Up”はクリス・ブラウンをフックに使った爽快なトラック。正直なところ現在のチャート動向は想像以上に思わしくないが、個人的にも2010年のT.I.の動きを観察する中で、今のT.I.ファンが求めている音ではない気がする。ではどのトラックがドンピシャかと質問を投げかけられそうだが、個人的にはNeptuneが制作“Amazing”のようなヘヴィなトラックや、Danja制作の”Everything on Me” のようなフロアを温めるアップテンポなトラック、または”How Life Changed”のように自身のストーリー性を語るリリックの熱いR&Bトラックが支持を仰ぐのではないだろうかと思う。 EminemやDrakeなどメインストリームと組んだトラックもタイトで悪くは無いのだが、やはり今一番注目されるのは彼自身であり、彼の生の声である。その強みは無二であり彼のファンが強く求めるものではないか?

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