Rihanna / Unapologetic

Release Date / Nov 19th 2012
Unapologetic
1年に1枚ペースの定期的なアルバム発表でファンの心を確実につかんでいるリアーナのデフジャムリリース7作目。今のアメリカはもとより、世界一のトレンドセッターとなっている女性アーティストであることは間違いない。前作「Talk That Talk」はアルバム・チャートで最高位3位に留まったもの、結果的にはアメリカのみで100万枚以上を売上げ、プラチナムセールスを獲得した。そして本作「Unapologetic」に関しては、リアーナのキャリア史上初めてとなるアルバム・チャート1位を獲得、初週の売上げも238,000枚とこれまでの最高となる数字を叩き上げ、2013年1月時点で米国内60万枚以上をセールス年内の100万枚超えはほぼ確実となっている。私が普段DJをやっていて思うことだが、リアーナの音楽は日本人は勿論、アメリカの黒人のパーティーでも白人のパーティーでも、またはフィリピーノやヨーロッパ系の方々が集まるパーティーでも必ず皆が喜ぶ。世代も10代から40代まで広範囲で男女問わず彼女ほど愛されるアーティストは実は他に見つからず、いわゆる世界共通言語だ。今回のアルバムを聴く限りでもエッジの鋭さ、ちょっと危険な香り・・・決して万人受けの音作りではないのだが、何故人々は彼女の音楽を愛するのだろう?プロデューサーが超一流だから?レコーディングにミリオンダラーをつぎ込むからか?答えはNOだ。彼女の小さい体に宿る宇宙のような空間には無限のスピリッツが存在し、音楽に対するエネルギーは太陽のように燃焼し続ける。そのパワーが私たちの魂を通過した時にある種のマジックが心の扉をノックする。それはぶつけようのない感情だったり、誰もが隠すことのできない痛みへの訴えだったり、目に見えない青い希望だったりする。もちろんプロデューサーがリアーナを理解して音楽を提供している点も多いに貢献度が高いことは間違いない。その中でもリアーナの素晴らしき理解者、StarGateの仕事っぷりには鳥肌が立つ。リードシングル”Diamonds”のようなビックスケールな曲もあればDub Stepへの積極的な介入を認めざるを得ない先進的なトラックもあり。現在注目度ナンバーワンMike Willのドス黒いトラック、Futureをゲストに迎えたダークな1曲、David Guetta(と言うよりNicky Romero作風)が容赦なく手掛けるフロアナンバー、マイケルを思わせる”Nobody”はChris Brownとのバトルで。このしびれる1枚を是非ともアルバム単位で1作という認識で楽しんでいただきたい。

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