Release Date / Feb. 14 2018
なんというか、「若気の至り」という言葉がピッタリとハマるヤンチャ坊主といったところか?いや、もしやこの男はヒップホップシーンにおいて今一番イキの良いラッパーかも知れない。ちょうど一年前にメトロ・ブーミン作のヒットシングルである‘‘Tunnel Vision’’を収録した1stアルバム「Painting Pictures」で全米初登場3位という華々しいデビューを飾ったコダック・ブラック。そのデビューから僅か1年の間でミックステープの「PROJECT BABY 2」を挟みつつ、早くも3枚目となる今作「Heart Break Kodak」をドロップしてきた。このMC界のホープの凄さは、半年につき約1枚のアルバムを落とすという制作ペースもさることながら、メジャーデビューからの1年間で逮捕された回数も既に2回というハイペースぶりにも良く表れている(苦笑)このコダックについては特段、有名なギャングのメンバーであるとか、そういうネガティヴな情報が入ってきている訳では無いが、銃窃盗容疑に大麻所持、育児放棄に保護観察違反まで・・・僅か20歳という年齢からは想像もつかない前科の多さには開いた口が塞がらない。もちろん、これが日本の音楽シーンならアルバムの出荷停止プラス賠償金もののスキャンダルに発展するだろう。だが、そこはエンタメ大国アメリカである。なんてったって、コダックが去年の夏に発表した「PROJECT BABY 2」が未だにチャートの20位前後をキープしている中での「Heart Break Kodak」のドロップだ。無論、彼の私生活での荒れっぷりを肯定する訳ではないが、海外のリスナーからすればラッパーの不祥事なんか慣れたものなんだろう。今作でいえばゲストにはリル・ウェイン、制作陣でもDyrykを中心に旬なトラックをコダックに提供。きっと今作も売れると思わせる出来栄えなんだから恐れ入る。確かにコダック・ブラックというラッパーは不祥事だらけのヤンチャ小僧だが、これだけのクオリティのアルバムを連発出来るのは彼自身のスキル + アメリカのヒップホップの歴史の長さ故の懐の深さの賜物だろう。(だからって日本のラッパーは真似したらダメですよ!)
(DJ YU-1)
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