Drake / Certified Lover Boy

Release Date / 3 Sep. 2021
2018年に発表した前作『Scorpion』では、ビルボード・ミュージックアワードにてトップ・アルバム賞を受賞し、その輝かしいキャリアに更なる勲章を加えたラッパーの Drake。あの大ヒットから3年が経過した2021年に、またしても素晴らしいアルバムをリリースしてくれたではないか。そのタイトルは『Certified Lover Boy』。文字通りバカ売れした『Scopion』同様に・・・いや、それ以上に Drake のサンプリング愛とリリシストぶりが炸裂した超大作と言っても過言では無いだろう。
まず、この大作の幕開けに相応しい1曲がアルバムの冒頭に収録された “Champagne Poetry” だ。あのビートルズの名曲 “Michelle” をサンプリングした同曲は、なんとネタをサンプリングするだけでは無く、作曲者としてジョン・レノンとポール・マッカートニーの名をクレジットする気合いの入れ様。またMontel Jordanの “Daddy’s Home” をサンプリングした “Papi’s Home” 、そしてビギーの “After Death” をオマージュした “Love All” では元ネタにゲストで参加した Jay-Z のラップを丸ごと使用する等、アルバムの初っ端から Drake のミュージックラバーぶりが存分に発揮された今作は、自身が今年の3月にビルボード・シングルチャートのトップ3を独占した3曲入りEP『Scary Hours 2』からは1曲も収録していないにも関わらず、捨て曲は一切無しという充実の一枚。参加した豪華過ぎるゲスト達の存在も去る事ながら、全21曲というボリューム感のある作品を全く間延びさせる事なく聴かせる Drake のラッパーとしてのスキルの高さは改めて賞賛されるべきだ。(彼にとっては当然の事かも知れないがリリックで扱うトピックスも多岐に渡っていて、その辺のギャングスタ一辺倒のMCとは一線を画すスタイルは流石の一言)
もうね、これだけのクオリティのアルバムなのだから今作『Certified Lover Boy』が米・アルバムチャートで初登場1位を獲得したなんてニュースに驚きは無い。だが、先週に発表された Kanye West の『Donda』とのバッティングを避けてリリースを一週間ずらしたなんて良からぬ噂も出てたりして(苦笑)まぁ、敢えて波風たてる必要も無いが、確かにファン目線として Drake と Kanye のチャート争いも見てみたかった気持ちも分かる。しかも両者の間でビーフが再燃したなんてニュースもあり、2021年の下半期はまだまだ2人の話題で持ち切りになりそうだ。
DJ YU-1

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