Release Date / 7 April 2023
R&Bシーンでは、間違いなく次世代のスター候補の筆頭だ。いやいや、これまでにも2枚のスタジオアルバムをドロップし、更に2019年の “Best Part” に至ってはグラミー賞にて〈最優秀R&Bパフォーマンス賞〉を獲得した程の歌い手を若手扱いする事には少々の無理があっただろうか?(大変失礼致しました!)だが、この度発表した3rdアルバムが彼自身にとってのメジャーデビュー作である事もまた事実。そう、本稿の主役である Daniel Caeser(ダニエル・シーザー)が作り上げた ニューアルバム『Never Enough』が名門メジャーレーベル〈Republic Records〉よりリリースされた訳だが、これが非常に素晴らしい作品だったりして。美メロ愛好家ならずともリコメンドしたくなる彼の歌声は上半期のR&Bシーンを大いに盛り上げてくれそうな予感だ。
まず今作の伏線となったかは定かでは無いが、ダニエルが2021年にジャスティン・ビーバーにフィーチャーされてヒットした “Peaches” でのパフォームが筆者としても印象深く、彼の次回作が俄然楽しみになったと記憶している。そして先述した “Peaches” から1年後に発表されたシングル “Do You Like Me?” , “Let Me Go” がまた非常に美しい楽曲となっているではないか!やはりゴスペルから影響を受けたと言われるダニエルの美声はミディアムテンポのトラックと相性抜群である事を両シングルから再確認させてもらった気分だ。そして、その先行シングルを携えた『Never Enough』もまた美しい。決して派手なサウンドでは無いが、だからこそダニエル・シーザーのパフォーマンスが際立って聴こえてくるのだ。この功績は、彼のメジャー移籍に伴い今作のエグゼクティブ・プロデューサーを務めたディラン・ウィッジンズの手腕に寄るところも大きいだろう。そんな珠玉のトラックリストの中でも特に必聴なのは、”Let Me Go” と同様に先行カットされた “Valentina” と、タイ・ダラー・サインをゲストに迎えた “Homiesexual” ではなかろうか?予想通り両曲ともダニエルの美声を際立たせるミディアムバラードとなっている。尚、ボーナストラックとして収録された “Valentina” の別バージョンではリック・ロスの渋〜いラップが楽しめるので、そちらの方も必聴とか言っとく。
と、まぁ隙の無いR&Bアルバムとなっている今作だが、ここで朗報が。なんと『Never Enough』をドロップしたばかりと言うタイミングで、ダニエル・シーザーのフジロック参戦が決定!早くも日本で彼の美メロを浴びるが来るとは、、、、フジロックのブッキング担当の方にも多大なるリスペクトを送らねばなるまい。
DJ YU-1