Release Date / 31 Jan. 2020
彼とは同性同名で、尚且つ日米でも非常に有名なキックボクサーがいるのだが、あのRIZINにも参戦している格闘家のケビン・ロスが歌手デビューした訳ではありません。そう、本稿の本当の主役はその類稀なるソングライティングの才能により、ボストンのバークリー音楽大学に在学中の時点で将来を嘱望された美メロ・シーンのサラブレッドことシンガーソングライターのケヴィン・ロスだ。もう、このケヴィン・ロスの何が凄いってデビュー前の時点で既にMotown RecordsとVerve Recordsと言う2つの超名門レーベルのバックアップを受けていたという事。この逸話だけでもケヴィンの才能の一端が垣間見れそうだが、その知名度は日本ではイマイチなのかなぁ?なんて思いつつ、この度ケヴィン・ロスが新たにリリースしたEP「Audacity,Vol.1」を紹介したいと思う。今作は、ケヴィンにとっては2017年に米・アダルトR&Bチャートで1位を獲得した1st「The Awakening」以来の新作となる訳だが、彼らしい美しいメロディラインと美声は健在。イントロを除いてしまうと収録曲は全6曲とミニマムなEPでありながら、しっかりと聴かせるあたりは流石の実力派ぶりだ。そんなEPの出だしでは、”Let it out”に”On Ya”といった2020年版ネオソウルとでも呼びたくなる様なサウンド達に極めて中性的な歌声を乗せ、またその歌声は中盤以降の”Switching Sides”、”Thing Called Love”の様なベースラインが強調されたローファイなビートにも負けない力強さも魅せてくれた。これまでもSWVやトニ・ブラクストン、トレイ・ソングスといったトップ達にも楽曲を提供してきたケヴィンだが、今作「Audacity,Vol.1」がきっかけで益々ソングライターとしても多忙を極めそうだ。って、いやいやいや!他人に楽曲を提供をするのも良いんだけど、自分名義でもEPだけじゃなくてフルアルバムの制作の方も宜しくお願いしますよ!日本であなたの名前を検索すると、格闘家のケビン・ロスの方が先に出てきちゃうんだけど、そこをひっくり返すポテンシャルは充分に持っているんだから。でもまぁ、裏方のスタジオワークが光る天才肌のケヴィンも渋くて好きなんだけどね(笑)
DJ YU-1
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- Kevin Ross / Audacity,Vol.1