Release Date / 24 May 2019
あのトニー・トニー・トニーのラファエル・サディークの秘蔵っ子シンガー = エイドリアン ・マーセルが2017年発表の1stアルバム「GMFU」に続き自身2枚目となるスタジオアルバム「98th」をリリースした。このエイドリアン・マーセルと言えばセージ・ザ・ジェミナイをフィーチャーしてスマッシュヒットさせた‘‘2AM’’の発表が2014年の事だから、2019年の時点で2ndアルバムとは少し制作のペースが遅いと感じるリスナーもいるかと思う。だが実は彼自身がなかなか良い契約に恵まれなかった苦労人だったりして。そう、エイドリアン・マーセルは‘‘2AM’’のヒット以降も‘‘Week After Next: Reloaded’’に‘‘Fifty Shades Of Adrian: Unplugged’’といったミックステープを次々と発表するも、どれも無料のバラ撒きに近いディールでありアルバムに繋がるようなインパクトが残せなかった経緯がある。だからこそ？という訳かは分からないが今作「98th」はエイドリアンが自ら立ち上げたレーベルのThird Voice Musicからのリリースとなる。そして今作も勿論ラファエル・サディークの全面バックアップだ。という事はこの「98th」で初めて自分のやりたいようなアルバムが作れたとも受け取れるのでは？そこを踏まえて今作を聴いてみると先行シングルの‘‘The Way’’からして気合いが入っているではないか！ふと同曲のフックのコーラスが何処かで聴いた事があると思っていたらHi-Fiveの名曲‘‘I Like The Way’’のフックをそのまま引用していたのだ。なんとも遊び心があると思うが、こんな仕掛けをされたら他の曲達もネタ探ししたくなっちゃうよ(笑)まぁ、そんなネタ探しをせずとも「98th」は上質なミディアムテンポの宝庫。エイドリアン・マーセルというシンガーを知り尽くしたラファエル・サディークだからこその仕事とも言えるだろう。
(DJ YU-1)