Release Date / June 24th 2011
自身の父親でもあり、長年マネージャーも務めていたMathew Knowlesの元を離れリリースとなった4作目のスタジオ・アルバム。2011年6月時点で29歳、アメリカ国内10年来のR&B界は彼女の支配下にあったと言っても過言ではないが、本当の正念場はこれから試される。ホイットニー・ヒューストンが80年代では容易かった成功が90年代で苦戦したように、またマライア・キャリーが90年代では売れたアルバムが2000年代に入って試行錯誤したように、アーティストとして熟成期をどうアピールするかという意味でも本作は非常に重要。先行シングルとしてリリースされた「Run the World (Girls)」は、これまでビヨンセがデスチャ時代から培ってきた女性のリーダーシップについて想いを爆発させたパワフルなクラブ・チューン。このド派手なトラックをバックに歌えるのは彼女の歌唱力だけが成しえる技。他のシンガーなら完全に埋もれてしまうヘヴィーな音圧を押しのけて歌うBeyonceの存在感は凄まじい。彼女が過去に放った「Crazy In Love」や「Single Ladies」などのヒット曲を越え、世界中のパーティーでDJ がピーク時にプレイする切り札となることは間違いないトラックである。そしてもう1曲のパーティー・ソングと言えばBoyz II Menの”Uhh Ahh”から10、9、8とカウントダウンで始まる「Countdown」。Kanye West作、軽快なトラックにAndré 3000がゲストに加わった大人のパーティー・ソング「Party」、同じく軽快なメロディーのラブ・ソング「Rather Die Young」は特にハーモニーが心地よく響く、これまでのビヨンセの楽曲には見られなかった傾向の曲。モータウン的なタイムレスな名曲となりそうな「Love On Top」はキュートな半面、バラードを書かせたら右に出る者はいないDiane Warrenが作曲に携わった「I Was Here」はビヨンセの歌を思う存分に堪能できる。The-Dream制作、彼女の歌を男としてシンプルに楽しむなら「1+1」がお奨め。現在進行中のセカンド・シングル「Best Thing I Never Had」は久々に登場したベイビーフェイスの力作。トータル的に魅力で溢れた作品、2011年ベスト作。
- ホーム
- New Releases
- Beyonce / 4