Jacquees / 4275

Release Date / 15 June 2018

2018年のヒップホップはアトランタの為の年と言わんばかりにホットなアルバムがドロップされているサウス・シーン。いやいや、南部はヒップホップだけではありません。今度はアトランタ産のR&Bシンガーまでニューシットをドロップ。そんなサウスの未来を担うであろうシンガー = ジャクイースが2010年にT.I.をゲストに迎えた‘‘Krazy’’で頭角を現した時の年齢はなんと弱冠14歳!10代とは思えないボーカルの艶っぽさに加え、リル・ウェイン直系のヴィジュアルも相まって一気に若手の出世株へと躍り出たジャクイースは、トレイ・ソングスやニッキー・ミナージュのカバーや自身名義のEP‘‘19’’のヒットを経て2014年に現在も所属しているCash Money Recordsとの契約を果たす。その2年後の2016年にはジャクイースの代名詞とも言えるシングル‘‘B.E.D.’’発表するなど彼の1stアルバムに期待がかかる中、‘‘B.E.D.’’から更に2年が経過した今年になって遂にジャクイース念願のデビューアルバムとなる「4275」が発表されたわけだ。期待のホープのデビュー作ということもあってCash Money Recordsも今作の制作にはかなりの力が入ったのだろう。先述の‘‘B.E.D.’’をプロデュースしたナッシュ・Bがアルバム内最多の全7曲を担当したかと思えば、他のプロデューサーやゲストのアーティストも豪華な顔ぶれがズラリと並ぶ。タイ・ダラー・サインやフューチャーのプロデュースでも知られるDJスピンズがナッシュ・Bと共作したアルバムタイトル曲である‘‘4275’’やヤング・サグがゲスト参加した‘‘Studio’’はいずれもタイト。更には今作からの先行シングル‘‘Inside’’ではジャクイースがデビュー前からリスペクトするトレイ・ソングスとの共演を果たし、‘‘All My Life’’という曲ではクリス・ブラウンとの新旧スターシンガーの揃い踏みが実現と、眩いばかりの楽曲が並ぶ。この今作の豪華さはCash Moneyの今後を引っ張るシンガーのデビューを祝う御祝儀といったところか?肝心のサウンドの方はというと、サウス系のトラックに寄りすぎる事なくジャクイースのボーカルがしっかりと立っていて聴きやすい。このあたりの抜け目なさも流石はCash Moneyの仕事。
(DJ YU-1)

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