21 Savage / I Am I Was

Release Date / 21 Dec. 2018
2017年には自身名義では1stアルバムとなる「Issa Album」がビルボード・アルバムチャートで最高2位を記録し、また昨年にはオフセット、メトロ・ブーミンとのコラボ・アルバムである「Without Warning」が同チャートにて最高4位を記録するなど、デビュー以降も順調なキャリアをひた走るアトランタ発のMC = 21サヴェージ。この2枚のアルバムの出来の安定感もさることながら、なんといっても彼を語るうえで外せないのは、ポスト・マローンにフィーチャーされた‘‘Rockstar’’の大ヒットに他ならない。同曲は昨年のビルボード・シングルチャートでは8週連続1位を記録するなど文字通りバカ売れしただけではなく、今年度のグラミー賞でも2部門においてノミネートされるなど依然注目度が高く、更にはゲスト参加した21サヴェージのラップのスキルも世間に知らしめる改心の一撃となった。また、21サヴェージがこの勢いに乗じるかの様なタイミングで2018年末に放った2ndアルバム「I Am > I Was」は早くも2019年上半期のMVP候補に躍り出た感があるではないか!このところのサウス産のアルバムは良作揃いだが、個人的には今作「I Am > I Was」が一番の出来ではないかと思っている。そんな今作では‘‘Rockstar’’での共演が記憶に新しいポスト・マローンやトラヴィス・スコット、J・コールに盟友オフセットなど錚々たる面子がゲスト参加。また制作陣でもメトロ・ブーミンを始めとして、サウスサイド、DJダーヒ、FKiファーストといったヒットメーカーが旬なサウンドのトラックを提供するなど万全の状態でリリース出来たと言っても過言ではない。もちろんセールスも文句なしの結果を残し、アルバムチャートでは初登場から2週連続で1位を獲得した。これで21サヴェージも若手MCの1人から本物のスターの仲間入りを果たしたと思いきや、非常にショッキングなニュースが飛び込んできた。このスター候補は、なんと米国不法滞在の疑いで米・移民当局に逮捕されてしまったのだという。いや本当に驚いた・・・筆者の知る限りでは21サヴェージのプロフィールはドミニカ産まれのアトランタ育ちのはずだが、実際には2005年にUKから家族揃って渡米してきた移民だったらしく、ビザもとっくに切れていたとか・・・いや、これが事実なら幼少期から10歳くらいまでの間をイギリス圏の英語で育ったMCが、フロウであのサウス感を出すなんて、どんな変態なのよ(笑)この後の裁判次第では最悪の場合は国外追放もあるそうだが、この才能をシーンから消すのはもったい無いのでは・・・今後の動向が気になり過ぎる。
(DJ YU-1)

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