Release Date / 19 July 2019
個人的に2014年にマーク・ロンソンが発表した「Uptown Funk」は、当時世界的に大流行していたが徐々に飽和状態に陥りつつあったEDMシーンに対する強烈なカウンターとして大きな役割を果たしたと思っている。レコーディングにおけるテクノロジーの最新を行くEDMの”今っぽさ”と相反するかの様に往年のディスコサウンドを模した「Uptown Funk」のプロダクションはダンスミュージックにおける原点回帰のムーブメントを促進し、後のブルーノ・マーズの「24K Magic」で一つのピークを迎えたことは記憶に新しい。そのダンスミュージックのリバイバルの真っ只中にあった2015年にデビューしたメイヤー・ホーソーンとジェイク・ワンからなるデュオ = タキシードもまた原点回帰の立役者。いや、むしろあの頃(70〜80年代)のディスコのまんまの音じゃん!と、突っ込みたくなるくらいのファンキーさは清々しいくらいだった。あの強烈なエントリーから4年が経過した2019年にグループ3枚目となるスタジオ・アルバム「Tuxedo III」を発表したタキシードだが、彼らのファンクネスは健在。それどころか2019年仕様に進化したディスコサウンドに体は揺れっぱなしである。思わずステップを踏みたくなるくらい軽快なトラックが印象的な先行シングル‘‘The Tuxedo Way’’から開幕する今作は、トークボックスの第一人者であると共に西海岸のDJとしても名を馳せるバトルキャットが参加した‘‘OMW’’、また覆面MCとしてアンダーグランドシーンを盛り上げるラッパーのMFドゥームをフィーチャーした‘‘Dreaming In The Daytime’’など、ヒップホップ畑のアーティストがゲストの曲までもディスコ色に染め上げる徹底ぶり。これは、一度聴けば脳内でミラーボールが光り出すんじゃないか?(笑)最高の出来映えに感服。
(DJ YU-1)
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