Release Date / 22 Nov. 2019

Fromアトランタ。あの若さで命を失った故・XXXテンタシオンやトラップ界の問題児こと6ix9ine(シックスナイン)あたりと毎晩の様に乱痴気騒ぎを起こしていたラッパーと説明すれば、奴が一体どんなキャラクターかは想像しやすいだろう。という訳でメジャーデビューは2018年、そのデビューから僅か1年程なのだが既に2枚のスタジオアルバムと1枚のミックステープを発表してきたラッパーのトリッピー・レッドが最新作「A Love Letter To You 4」をドロップした。やはり驚くべきはその多作ぶりだろうか？そう、トリッピー・レッドがデビューアルバム「Life‘s A Trip」でビルボード・アルバムチャート初登場4位を記録したのが昨年の8月のこと。その3ヵ月後にはミックステープ「Love Letter To You 3」、そして今夏には2ndアルバムとなる「！」と続け様に作品を投下してきているのだが、これは切れ目なくスタジオワークをこなさないと発表を実現出来ないペースだ。と言う事は、トリッピーはただの遊び人では無いといった所か？さて前置きはこの辺にしといて、タイトルからして前作ミックステープの続編であるだろう今作「Love Letter To You 4」だが、その中身はやはり流行りのアトランタ産のトラップが全開である。他のトラップ作品との毛色の違いと言えば収録曲の”Who Needs Love”や”Love Sick”、”Real Feel”に見られる様なアコースティック色の強さくらいだろうか。むしろそれ以外のトラックは散々聴いてきた様なトラップであり、少し乱暴な表現になるがフェティ・ワップのフロウをさらに歌っぽくしたトリッピーのスタイルもラッパーのスキル的にアリなのか疑問符が付く。昨年、エミネムが「KAMIKAZE」でトラップ系MCのスキルをディスり倒していたが、トリッピーもディスられたまんまその通りのラップを披露していると言わざるを得ない。と、思ったら今作の最後の1曲でやってくれました。タイトルも挑発的で”Can You Rap Like Me”ですって？そんな同曲は、これまでのトラップとは打って変わってブーンバップ風のトラックになっており、更にはトリッピー・レッドはキレッキレのフロウを聴かせてくれたでは無いか。なーんだ(笑)普通にラップしても巧いなら早く言ってよ！個人的にはこっちの路線の曲をもっと聴きたいくらいだ。いずれにせよ若干20歳にしてこの多作ぶりは只者では無い。

(DJ YU-1)