Sammie / Everlasting

Release Date / 1st Mar. 2019
1999年にシングル‘‘I Like It’’をヒットさせた12歳の少年シンガーも既に32歳となる。そんなかつてのキッズスターが歩んできたこの20年間は決して順風満帆なキャリアとは言えなかっただろう。学業を優先させる為に一旦フェイドアウトした後に再デビューしたまでは良いものの、アーティスト名義の変更に加えてインディ堕ちまで経験したサミーは表舞台から消えかけているようにも見えた。所詮、彼の初期のヒットは名プロデューサーであるダラス・オースティンのマジックに過ぎなかったのか?いやいや、ここ3~4年のサミーの活動は目を見張るものがあるではないか!そう、2006年に発表したアルバム「Sammie」は以降すっかり音沙汰の無かったサミーだったが、2015年にリリースした「Indigo」をきっかけに2017年には「Coming Of Age」、そして昨年の2018年には自身のシリーズ物であるEPの最新作となる「Series – 31873.0」と、続け様にニューシットをドロップ。特に2017年の「Coming Of Age」ではリック・ロスやエリック・ベリンジャーといったゲストとの共演も支持を集めた事により、サミーはすっかりブランクの影響を感じさせないアーティストに成長した様に見受けられる。そしてこの一連の流れを踏まえた上で、今回発表された彼の最新作である「Everlasting」を聴いてみると、どうだろうか?かつて12歳で世に出が故にマイケル・ジャクソンと比較され続けたキッズスターの姿はなく、円熟味を増した大人のシンガーの姿がそこにはある。それどころか収録曲の‘‘Times 10’’では絶賛売り出し中の若手MCのリル・ベイビーをフックアップする余裕っぷりまで魅せる。うん、これはなかなか聴きやすいアルバムでは?これまでの歴史を見ても幼少期にブレイクしたアーティストは大人になると迷走しがちなものなのだが、サミーのように渋さを増しながら地道にキャリアを歩むシンガーは稀有な存在だと思う。ここまで来たら是非もう一度大ヒットをかまして欲しいところだが、今作のセールスは果たして??
(DJ YU1)

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