Release Date / 19 Oct. 2018
相変わらずの甘い歌声と、やや固めのビートの組み合わせは個人的には嫌いじゃない。いや、みんなも大好きでしょ?(笑)キャリア的にはぼちぼちベテランの域に差し掛かってきた実力派のR&Bシンガー = ラヒーム・デヴォーンが新たにリリースしたスタジオ・アルバム「Decade Of A Love King」がなかなかに素晴らしいではないか。今作のタイトルでも明言されているが、自身の〈Love King〉の異名は流石に伊達じゃないということか。何故だか、こんなにオーセンティックなスタイルのR&Bを新作で聴くのは随分久しぶりな気がするくらいだ。そんな今作からの先行シングル‘‘Don’t Come Easy’’ではスロウなテンポな曲調でその歌声をじっくりと聴かせたラヒームだが、その他の収録曲で目立ってたのはミディアムなテンポでビートが強く鳴り響くタイプの楽曲達だ。アルバム1曲目の‘‘What It Feels Like’’から始まり、‘‘Wifey’’、‘‘Say The Ward’’、‘‘That Way Act I’’、‘‘Come Together’’と続くトラック・リストでは勿論ラヒームの甘い歌声を楽しめるのだが、個人的に気になったのは各楽曲ごとに組み込まれる多様なビートパターンである。それは王道を行くヒップホップ・ソウル系のR&Bとでも言えようか。これまでにもE-40やスヌープ・ドッグ、デビッド・バナーからウータン・クランのレイクォンと一流どころのラッパーから共演のラブコールを受けて来たラヒーム・デヴォーンの真骨頂を見た気分だ。そう、ラッパーと言えば今作では‘‘Another Round’’ではチャズ・フレンチ、‘‘#BFF’’ではファット・トレルとラヒームと同じワシントンD.C.出身のラッパーをゲストに迎えるあたりも黒い音の演出に一役買っている。これでいて‘‘Roses’’や‘‘When I’ts Real’’とバラードの新曲もバッチリ押さえているんだから申し分無いでしょう?敢えてもう一度言うが、こんなにオーセンティックなR&Bを新作で聴くのは随分と久しぶりな気がする。
(DJ YU-1)
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