Release Date / Apr. 15 2016
フィラデルフィアを代表するR&Bシンガー、ミュージック・ソウルチャイルド。”自身名義”としては約5年ぶりとなるニュー・アルバム「Life On Earth」を発表した。あえて”自身名義”と表記したのには理由があり、実はミュージック・ソウルチャイルドは昨年にザ・ハッスルという名義で「Husel Music」なるアルバムをリリースしている。そして、この作品がサウスの影響を強く感じさせるHIP HOP色の強いビートが特徴的なアルバムとなっており、彼の古くからのファンを多いに驚かせた。そう、本来ミュージック・ソウルチャイルドと言えばフィリーソウルのフレイヴァを感じる正統派R&Bの第一人者だ。90年代から始まったHIP HOPソウルブームによりサンプリングトラックの多様化が進んだR&Bシーンにおいてもネオ・ソウル全開のスタイルを貫いてデビューしたくらい。それがザ・ハッスルと名前を変えた途端、跳ねたビートにエフェクトの効いたボーカルを乗せる‘‘イマドキ’’の姿を 披露。確かに本来のソウルチャイルドの姿では無いが、個人的にはビートの強い楽曲が好みなので非常に楽しめた。だからといって彼が「Husel Music」1枚で今までのスタイルをリセットする事は無いだろうが、それから僅か1年足らずで自身名義のアルバムの発表である。一体どのような作品になるのか非常に興味深かった。
まず今作「Life On Earth」からのリード・シングル‘‘I Do’’であるが、所謂ミュージック・ソウルチャイルド節全開と言って良いのでは?昔からのファンも納得のメロウっぷりである。‘‘I Do’’に続いて発表された‘‘Heart Away’’は一転してビートが強めのダンサブルなナンバー。この辺は一度ザ・ハッスルを挟んだからか、より作風の幅が広くなったような印象を受ける。アルバム1曲目の‘‘Wait A Minute’’に至っては完全にHIP HOPとして聴けるくらい。ベテランの境地に達してからも新たなスタイルを取り入れる懐の深さを感じる作品だと感じた。とはいえ本来のソウルチャイルドの魅力であるネオ・ソウルを感じる楽曲達は流石の仕上がりを見せており、デビュー当時からの彼のファンにも当然オススメである。
(DJ YU-1)
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