Release Data / Sep. 15 2017
2015年にリリースされたマドンナのスタジオ・アルバム「Rebel Heart」。全米チャートでは最高2位とリスナー達からなかなかのレスポンスを受けただけでなく、ここ日本のアルバムチャートでも最高8位につける等、世界規模でセールスを伸ばした事は記憶に新しい。そして彼女は、この「Rebel Heart」を引っ提げて2015年9月から世界4大陸55都市に渡って全82公演を開催するワールドツアーを敢行した訳だが、この7ヶ月間のツアーで得た収益は約195億円。これでマドンナのキャリア全体でのツアー収益は1500億円を突破し、更にはこの数字は女性アーティストとしては歴代最高の記録となるそうだ。この記録は当然ながら曲を売り続けるだけではなく、ライブパフォーマンスをキープする体力も求められる。来年には還暦を迎えるとは思えないパワフルな歌声の維持は超一流の証と言えるだろう。この圧巻のステージをCD / DVDに収めた『Rebel Heart Tour』はスタジオ・アルバムとはまた一味違う熱量を持っていて・・・いや、もしかしたらこのライブバージョンは本作を凌駕しかねないコストパフォーマンスを持っているから評価に困る。そう、今作に収められているライブ序盤では、それこそ「Rebel Heart」に収録された‘‘Iconic’’、‘‘Bitch I’m Madonna’’、‘‘Body Shop’’等がテンポ良く流れていくが、ライブ中盤からはべストアルバムさながらのセットリストに圧倒される事になるのだ。‘‘Like A Virgin’’、‘‘La Isla Bonita’’、‘‘Music’’、‘‘Holiday’’と続く怒涛のヒットメドレーはマドンナのファンならずとも耳したことのあるフレーズばかりだろう。こんな贅沢な選曲は長いキャリアの中でトップに立ち続けた人間にしか出来ない芸当だし、各曲のイントロで毎回ボルテージが限界まで上がるオーディエンスの歓声のおかげで聴いてるこちらまで揺さぶられる。埼玉スーパーアリーナの公演では開始が2時間も遅れるハプニングに見舞われながらもライブを大成功に導いたそうだが、この内容ならそれも納得。ライブにもかかわらず生歌を披露出来ないスキルを持つ某国の某アイドルグループ達にはマドンナの爪の垢を煎じて飲ませたいくらいだ。
(DJ YU-1)
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