Release Date / Feb. 26 2016
「The Heist」を引っさげ、2014年の第56回グラミー賞では四冠を達成した驚異のHIP HOPデュオ、マックルモア&ライアン・ルイス。彼らが発表した今作「This Unruly Mess I’ve Made」は、およそ3年半振りの2ndアルバムとなる。筆者個人的にも待ちに待った作品だ。メジャーデビューアルバムがいきなりグラミー賞を席捲し、HIP HOPシーンの主役に躍り出た存在感もさる事ながら、白人であるはずのラッパーのマックルモアからブラックミュージックのフレイヴァが溢れ出ている事には非常に驚かされた。勿論これまでもビースティボーイズやエミネムなど名だたる白人ラッパーがブレイクを果たしてきたが、マックルモア&ライアン・ルイスは彼等とは音創りのアプローチの仕方が違う様に思えたのだが・・・今作ではその‘‘音の黒さ’’の核心を存分に魅せてくれた。
まず昨年に発表された今作からのリードシングル‘‘Downtown’’からして真っ黒だ。ゲストには何とメリー・メル、クール・モー・ディー、グランドマスター・カズといったオールドスクール・レジェンドが参加!彼等はHIP HOPがカルチャーとして産声を上げた70年代後半からブロックパーティーを主催してきた生き字引達である。無論、オールドスクールの香りがする同曲はビルボードチャート、UKチャート共にTOP20入り。相変わらずの注目度の高さが伺えた。そして、いよいよ今年に入りアルバムリリースとなった訳だが、‘‘Downtown’’以外にもHIP HOP黄金期を思い出させる収録曲が目白押しである。これまたレジェンドであるKRS-ONEとDJプレミアをフィーチャーした‘‘Buckshot’’は時代と逆行したローファイなサウンドが癖になり、チャンス・ザ・ラッパーを起用した‘‘Need To Know’’ではシカゴの‘‘Saturday In The Park’’の大胆なサンプリングが光る。まるで90年代のブルックリンからタイムスリップして来たかのようなセンスを持つマックルモア&ライアン・ルイスだが、今作「This Unruly Mess I’ve Made」はビルボード・アルバムチャートで初登場4位を記録。他にも主要6ヶ国で同時にTOP10入りを果たすなど滑り出しは順調だ。2016年上半期のベストな1枚・・・は少し気が早いか(笑)
(DJ YU-1)
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