Release Date / 28 Serp. 2018
最早この男の事はダーティ・サウスの雄にしてレジェンドMCと呼んで差し支えないだろう。そんなリル・ウェインが2004年にリリースした「Tha Carter」から始まったCarterシリーズも今作で5作目となる。そう、リル・ウェインが新たに発表したスタジオ・アルバム「Tha Carter V」は、2008年にトリプル・プラチナムの大ヒットを飛ばし、更には第51回グラミー賞において最優秀ラップ・アルバム賞を含む4部門を獲得した「Tha Carter III」クラスのヒットが期待されている快心の一撃だそうで・・・うん、確かにアルバム発表前から売れそうな香りが漂っていた。なんだかシーン全体がウェインの帰還を待っていたと言うか。とりわけ2018年はサウス勢のMC達が良作を大量投下した1年だったが、その中でもリル・ウェインは別格の存在感を放っており、ビーフの影響を感じさせないあたりは流石の一言。いや、このビーフとは?皆さんもご存知の事だろうが今作「Tha Carter V」の制作がアナウンスされたのは実に4年前の事。しかしながら所属するキャッシュマネーとの長きに渡る訴訟問題のもつれからレーベルを離脱するなど、アルバム発表から遠退くばかりだったウェイン。新作を待たされたファン達はヤキモキさせられた事だろうが、2018年に入るとキャッシュマネーを代表してバードマンがウェインに対し公式に謝罪をしたことによりビーフは解消。これにてようやく「Tha Carter V」がリリースに向け動きだしたのが今年の春先の事である。そして遂に陽の目をみた今作だが、待たされたリスナー達もきっと満足した事だろう。それも「Tha Carter V」は、既に記録づくめの大ヒット作になりつつあるからだ。例えばシングルチャートにおいてはケンドリック・ラマーをゲストに迎えた‘‘Mona Lisa’’が初登場2位、更に若干20歳でこの世を去ったMCのエクスエクスエクステンタシオンが生前にウェインとRecした‘‘Don’t Cry’’は初登場5位を記録したウェインだが、なんとシングルチャートのトップ5に初登場で同時に2曲ランクインさせたのは史上初の快挙!当然アルバム自体もチャートで初登場1位を記録したのだが、週間ストリーミング再生数では歴代2位の記録を叩き出すなど、まだまだこれからセールスを伸ばしそうだ。この傑作の中でも特に個人的に気になった曲はスウィズ・ビーツがプロデュースした‘‘Uproar’’だ。同曲のトラックの中毒性とウェインのライムが癖になり何度もリピートしまったくらい。と、思っていたら本国のリスナーも同じ気持ちだったみたいで(笑)YouTubeなどの動画サイトでは‘‘Uproar’’に合わせてフリースタイルで踊りまくる若者が急増してお祭り騒ぎに!これが#UproarChallengeなるムーブメントに発展してしまうあたりもリル・ウェインがスターたる所以か?これは売れる訳だ。
(DJ YU-1)
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