Ella Mai / Ella Mai

R&Bシーンから新たな女王候補の誕生か?1994年産まれのUK育ちだが、ジャマイカ系のルーツを持つ新星シンガー = エラ・メイの事は、2018年上半期の全米シングルチャートにおいて台風の目のような存在感を放っていたので注目していたリスナーも多かった事だろう。そして、彼女がここに来て素晴らしいアルバムをドロップしてしたので紹介したいと思う。そのタイトルは直球なもので、自身の名を冠した「Ella Mai」だ。このエラ・メイは、ヒットメーカーとしてシーンに君臨するDJマスタードが惚れ込む程で、自身のレーベルである10 Summersからデビューさせた逸材である。その実力は前評判通りで、デビューアルバムとは思えない歌いっぷりを披露し、一度聴けばその歌声に引き込まれる事は請け合いだ。そんな彼女の事を語る上で、まずは何と言っても‘‘Boo’d Up’’のヒットは外せないだろう。先程は彼女のことを全米シングルチャートで台風の目となったと表現したが、‘‘Boo’d Up’’は2018年のシングルチャートで6月から8月の約2カ月の間、ほぼトップ10をキープするロングヒットとなったのだ。ここまでの説明なら新人アーティストに良くあるブレイクに感じるかも知れないが、驚くべきは‘‘Boo’d Up’’のリリースは2017年の2月という点だ。例え同曲のプロモーションが今年の3月から本格化したことを考慮したとしても、バズるまでのタイムラグの長さには思わず笑ってしまった。表現として個人的には好きでは無いが、同曲のような曲こそ〈スルメ曲〉と呼ぶに相応しいのでは?もちろん「Ella Mai」の収録曲は他にも充実していて、‘‘Boo’d Up’’に続きシングルチャートでトップ20入りを飾った‘‘Trip’、クリス・ブラウンをゲストに迎えた‘‘Whatchamacallit’’、ジョン・レジェンドとの共演を果たした‘‘Everything’’など、聴かせる系のR&Bが並ぶソングリストは非常に耳に馴染む。女性のR&Bソロシンガーとしては久々の大型新人と感じたので、彼女のこれからのキャリアにも大いに期待したい。
(DJ YU-1)

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