Release Date / 13 Mar. 2020
今作は2020年上半期のシーンの台風の目になりそうな予感である。それもラッパーのリル・ウージー・ヴァート(以下 リルウジ)がリリースした「LUV vs. The World 2」が、現行ヒップホップの勢いを凝縮した様なエクスクルーシブな作品となっているからだ。さて前置きはこの辺にしておいて、まずはリルウジがつい先日の3月13日にドロップしたスタジオ・アルバム「Eternal Atake」の説明からせねばなるまい。2020/3/28付のビルボード・チャートでは早くも初登場1位が確定している「Eternal Atake」だが、現時点で既に各方面から絶賛の嵐である。例えば比較的に辛口で知られる全米のメディア達・・・それはNME誌、ローリング・ストーン誌、ビルボード誌等が手放しでリルウジを褒めちぎるくらいの会心のアルバムと説明すれば分かり易いだろうか?その中でもバックストリート・ボーイズの超名曲”I Want it That Way”をオマージュした”That Way”は直近で一番バズっているシングルといえる勢いを保っており、この”That Way”を収録した「Eternal Atake」のヒットも当然というか、納得と言ったところだ。と、まぁ本当はこんな具合でレビューを締め括りたいところなのだが、問題となるのが今作「LUV vs. The World 2」だったりして。なんと今作は2016年にリルウジが発表したミックステープ「vs. The World」の続編であると同時に「Eternal Atake」のデラックス版でもあるのだ。それはなんてエクスクルーシブなんだ!って、いやいやいや!まだリリースされたばかりの「Eternal Atake」も消化しきれてないのに勘弁してくださいよ(笑)とは言え「Eternal Atake」と「LUV vs. The World 2」の間に大きな相違点がある訳ではない。そう、両者の最大の違いと言えば参加したゲストの数ではないか?参加した外部のゲストをシドのみに留めた事によりタイトな作りになった「Eternal Atake」に対して、フューチャー、21サヴェージ、ヤング・サグ、リル・ダーク、チーフ・キーフといった豪華なゲストで彩りを加えた作品が「LUV vs. The World 2」という解釈で間違いないだろう。そして、どうやらビルボード的には今後はこの2作品の合算でチャートに反映させて行くことになりそうだが、果たしてリルウジがデラックス版効果で一体どこまでセールスにブーストをかけられるのか?これは中々に見ものである。
DJ YU-1
- ホーム
- New Releases
- Lil Uzi Vert / LUV vs. The World 2