Kid Ink / ALIVE

Release Date / 9 Apr. 2021

2014年には自身の2ndアルバム『My Own Lane』をスマッシュヒットさせたKid Inkは西海岸自身のラッパーだ。だが、そんな彼がこの度にドロップした今作『ALIVE』は、西海岸出身のラッパーの作品という前情報を無しに聴いてみると、まるでアトランタ産のヒップホップを聴いているかの様な錯覚を起こしてしまうサウンドのアルバムとなっているではないか。それは、要するに今作が旬なトラップビートで彩られている何よりの証拠でもある。このクセのあるロジックは、今作を全編に渡ってプロデュースしたISMの仕事と見て間違いないだろう。これまでにもChris BrownやDaniLeighに数多くのビートを提供してきたISMと、前作『Full Speed』のリリースから約6年もの期間に渡りリリックを書き溜めてきたKid Inkの相性の良さは今作を聴けば一目瞭然。
その中でも個人的に気になったトラックリストを挙げるならば、アルバム冒頭の”New New”や”Night & Day”を始めとして、怪しげなミュージックビデオとビートの親和性の高い”Red Light”、またプロデューサーのISM自らフィーチャリングで参加した”All In Head”あたりがフェイバリットだ。そして、このISMの手掛けたトラックの完成度の高さも当然ながら間違いないのだが、今作の最大の見所は Kid Inkの歌を歌うかの様なメロディアスなフロウにあると見ている。そう、あのChris Browonにソングライターとしても絶賛されているだけあって、単調なラッパーにありがちな凡百のフロウとは明らかに一線を画しているのだ。この流れる様な独特のフロウは、若手ラッパーのRory Frescoがゲストで参加した”Rich Talk”で特に顕著に現れていて、2人のラップの違いを聴き比べてみても面白いだろう。(決してRory Frescoのスキルが劣っているという訳ではないので、悪しからず)この様にアルバム全体を通して楽しめた今作『ALIVE』。敢えて注文を付けるなら、作品自体が綺麗にまとまり過ぎている気もするが、6年ものブランク明けのアルバムと考えれば充分な出来栄えだ。また、Kid Inkは先述の通り西海岸のラッパーではあるのだが、サウス・ヒップホップ好きの耳にハマるであろう点も踏まえて及第点を与えたい。
DJ YU-1

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