Release Date / Mar. 22nd 2011
私の知る限りで一番激戦だった2004年、第3シーズンのアメリカン・アイドル(優勝者はファンテイジア)ではトップ8まで残ったもの、惜しくも夢破れた彼女。05年には無名ながらもブロードウェイ・ミュージカルで映画化された「Dream Girls」にてビヨンセやジェイミーフォックス等と共演しスクリーン・デビューを果たした。映画ではビヨンセの歌を完全に喰ってしまい賛否両論が巻き起こったが、その後の活動では目まぐるしいほど乱降下が続いた。まずは「ドリームガールズ」にてアカデミー賞の助演女優賞を始め20を超すタイトルの映画賞を獲得したこと。そして08年にリリースしたデビューアルバム「Jennifer Hudson」では全米アルバム・チャート初登場2位を記録し、翌年のグラミーアワードにて“Best R&B Album”を受賞。デビュー直後に一生分の幸運とも言えるアカデミー賞とグラミー賞の両方をわしづかみにしてしまった裏舞台では当時57歳の母親、29歳の兄、そしてたった7歳の甥が姉の元夫に殺害されるという悲劇が世界中のニュース・トピックとなった。09年は米芸能ゴシップ界を沸かせた息子との写真、新たな生命が彼女に芽生えたツーショットが公開。以降の25キロに及ぶダイエットの成功、変わり果てた美貌はファンへ衝撃を与えたが、心配されていた歌声は全く衰えることを知らず。やや音楽的な話から遠ざかってしまったが、それほど激動の人生を歩んでいるとすれば、シンガーとしてそれが反映されない訳がないということ。制作には近年報じられたビック・カップルのアリシアキースとスウィズビーツが2曲で制作に携わっているが、恐らくアリシアがピアノで原曲を書上げSwizzyがトラックをまとめたのだろう。他にもNe-Yo、R. Kelly、Harvey Mason、Stargate、Polow Da Donなど一線でヒットを放つプロデューサー揃い。全米アルバム・チャート初登場で2位(ちなみに1位はChris BrownのF.A.M.E.)を記録した魂心の作品を是非ともお手にとってチェックいただきたい。
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