Release Date / Sep. 2 2016
どの分野においても無名の存在の者が瞬く間に世に出て来た場合〈彗星の如く現れた〉なんて形容詞が使われることが多いが、まさに文字通り彗星の如く現れた次世代のシンガーではなかろうか?もし彼女の存在を一年以上前から注目していた人間がいたら、その先見の明を非常に羨ましく思う。その彼女の名はイジー・ビズ。そろそろプロ野球界では2016年の新人王レースが白熱してきているが、音楽界・・・とりわけUKシーンでの新人王最有力候補は、このイジー・ビズで間違いないだろう。そう、UKで期待の新人アーティストに贈られる賞のBBC Sound Of 2016にノミネートされた彼女にとって今年は飛躍の一年となった。世間的にはノーマークだったデビュー前からもサム・スミスやフォクシーズのサポート・アクトに抜擢されるなど、並々ならぬ期待を集めていたイジー・ビズは昨年2015年にシングル‘‘White Tiger’’を発表。するとyoutubeで同曲の公式ビデオが400万再生を突破し、コールドプレイのクリス・マーティンを始めとする同業者からも絶賛されるなど、無名の新人としては破格の話題を集めた。そして2016年、満を持してデビューアルバムとなる「A Moment Of Madness」を発表するとグラストンベリー・フェスティバルを始めとした複数のビッグフェスに参加し、UKでの評価はうなぎ登りだそうで。個人的にも今作のソウルにポップスを絡めたような新鮮な魅力には存分に引き込まれた。実質のリードシングルとなった‘‘White Tiger’’以外にも今アルバムの中では‘‘Adam & Eve’’や‘‘Lost paradise’’など新人らしからぬ、堂に入った表現を魅せる曲が特に気になった。好事家の間ではこの彼女の豊かな表現力を〈ソウル界のノラ・ジョーンズ〉なんて評する向きもあるくらいだ。もっとも筆者としては彼女からはノラよりもフージーズのボーカルとして世に出たての頃のローリン・ヒルの面影を見た思いではあるが。エキゾチックなビジュアルや声質等、イジーは若い頃のローリンに似ているような気がするんだよなぁ。然し嬉しい事にこのイジー・ビズも来日公演が決定しているので、生で見るチャンスがあったら直接確かめてみたいものだ。
(DJ YU-1)
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