Release Date / Aug. 26 2016
90年代初頭のニューヨークを代表するヒップホップ・ユニットであり、とりわけニュースクールだとかネイティヴ・タンと呼ばれるスタイルの草分け的存在であろう。そのデ・ラ・ソウルが2004年以来、10年以上もオリジナルアルバムを発表していないという事実。メンバー個別の活動はあるものの、その活躍の場はインディへと追いやられた現実。・・・追いやられた?否、自ら進んでインディペンデントのアーティストであり続けたのだ。そう、良く言えば職人気質で自分達の世界観を崩さない。悪く言えば商売下手で不器用。デラに限らずあの時代のヒップホップアーティストには往々にして当てはまる特徴だ。もはやデラの面々からは作品をヒットさせることよりも自分が納得できる曲が作れれば良いという開き直りすら感じる。こんな調子だからスポンサーもつかないし、資金不足でアルバムが出せないのも自業自得だが、それでも彼らの新作が聞きたいというコアなファンも存在するのだ。だったらその物好きなファンから制作資金をカンパしちゃえば良い!と思いついたのが昨年の事。もう無茶苦茶な発想だが何と集まった資金は60万ドル(笑)日本円にして7000万円超えとはデ・ラ・ソウルというアーティストの底力を見た思いだが、自ら資金調達をしたのだから制作に口を出す外野も当然いない。自由にやりたい放題の環境を手に入れたのだ。そんな環境で作った中身は予想通りだがサンプリング一辺倒。著作権のクリアが面倒だからって身内のアーティストに生演奏させて、その音を敢えてサンプリングしてまで「and the Anonymous Nobody…」のトラックは作られたそうで・・・まさかサンプラー以外の機材の使い方を知らないとか?なんて要らぬ心配までしてしまったが、慣れ親しんだ手法で作られた曲達が文句なしでカッコ良いんだから万事OK。復活の祝福と言わんばかりに参加した豪華なゲスト陣もデ・ラ・ソウルの世界観に引き込む事に成功している。90年代にはデラとは水と油くらいにスタイルの違いがあったスヌープ・ドッグですら例外では無いくらいだ。そんな彼等だが嬉しい事に来日ライブが決定している。新曲も勿論楽しみだが、かつてのヒット曲からも聴きたい曲が山ほどあるのが悩ましい(汗)
(DJ YU-1)
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