Release Date / Oct. 12 2012
ブスカワR&B女王、久々のカムバック作。個人的には彼女が14~15歳でデビューしたセルフタイトル作「Brandy」の時点から彼女の虜であり、それ以後も彼女が出演するコメディータッチの連続ドラマを見て楽しんだり、恐らく私だけでなくテレビや音楽で成功をおさめ、アメリカ中のヒ―ローだった彼女。200万枚以上を売り上げたデビュー作に始まり、98年にリリースしたセカンド作「Never Say Never」に関しては収録曲の“The Boy is Mine”が4つのグラミーノミネート候補に挙がり、ベストパフォーマンス部門の受賞を果たすという偉業も成し遂げた。同時期にWhitney Houstonと共演したディズニーTV、” Cinderella”(シンデレラ)にてEmmy Award(アカデミー賞のテレビ版)を受賞するという、若くしてこれ以上にない幸運をモノにしてしまった。2002年に日本でもゴールドディスクに認定された3作目「Full Moon」でも勢いは劣らずアメリカ国内だけで100万枚以上をセールス。アルバムチャート最高2位を記録した。当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったプロデューサー、Darkchildことロドニー・ジャーキンスとの相性もバッチリで当時のアメリカンR&B 帝国を築いた一人となったことも忘れられない。04年にデビューより付き合っていたアトランティック・レコードより最後のリリース作「Afrodisiac」(2004)を発表。07年にはオーディション番組“America’s Got Talent”にてサイモン・カウエルと共に審査員を務めるなど精力的な活動の一方で、プライベートにて起こした交通事故では死者を出し、活動に陰りが見え始めたのもこの時期である。エピックへ移籍後にリリースした「Human」(2008)は不発に終わり、1年足らずで契約解除に。しばらく音沙汰が無く沈黙が続いた彼女の活動だが、2010年に弟Ray Jと共に出演した「Brandy and Ray J: A Family Business」にて、テレビ界に復帰。天国から地獄へ数々の苦難も経験した少女が大人への階段を上って築いた作品、それが本作「Two Eleven」である。タイトルの意味はこれまでに何度もインタビューで口にしているホイットニーヒューストンというシンガーの影響力。彼女の命日である2月11日はブランディーの誕生日でもある。ホイットニーが他界する数日前に「あなたはあなたらしく自分を貫き、挑戦し続けなさい。」という言葉が今のブランディーを支えているという。何年ぶりかR&Bチャートに返り咲いたクリス・ブラウンとのヒット曲“Put It Down”、フランク・オーシャンが書き下ろした詩的作品“Scared of Beautiful”など話題も満載。ファンの一人として、待ちに待った・・・そんな作品である。
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