Big Boi / Sir Lucious Left Foot The Son Of Chico Dusty

Sir Lucious Left Foot: The Son of Chico Dusty
Release Date / Jul. 6th 2010
レーベルをデフジャム移籍し実質的には本作が初のソロ・アルバムとなる。06年8月に発売されたOutkastの6作目「Idlewild」から既に4年が経過しているが、本作は実に3年の準備期間を費やしレコーディングを繰り返した大作。長いタイトルは自身のあだ名” Lucious Left Foot” と父親のニックネーム” Chico Dusty”の息子との表記なので、要するにビックボーイ本人を大きくテーマに取り上げたことになる。ソロ作とは言え相方アンドレとのコラボ無しなのが気になるが、レーベル契約上のトラブルで数曲用意していたにも関わらず、プロデュース作「You Ain’t No DJ」1曲のみのクレジットで終わっている。本作の制作陣で久々に活動を再開することになったSleepy Brown を中心とする“Organized Noize”のメンバー、90年代アトランタ発祥のサウンドに現代のスパイスを加えて再び蘇る。その中でも長年のヒップホップ・フリークに響くのはゲストにGeorge Clinton(ジョージ・クリントン)とToo Short(トゥーショート)を迎えた「Fo Yo Sorrows」。80年代、90年代の音楽に奇跡を起こしたレジェンドを迎え“Organized Noize”の手作り料理を喰らう…なんとも贅沢だ。ファースト・シングルを手掛けたScott Storch(スコットストーチ)の復帰作とも言える「Shutterbugg」は意外にもオールドスクール色を打ち出したトラック。他にもリル・ジョン制作ジェイミー・フォックスが歌う「Hustle Blood」、現在のヒップホップ・ファンを囲うためには必須な人気ゲスト陣Gucci Mane、T.I.、B.O.Bなどの豪華アーティスト共演も面白い。

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