Release Date / Aug. 14 2015
昨年に自身のレーベル〈No Genre〉を立ち上げて以降、非常に精力的に活動のペースを上げてきたアトランタの人気ラッパーB.o.B。レーベル名No Genreを冠したミックステープシリーズの相次ぐリリースだけでなく、ジョデシィの復活アルバムからのリードシングル‘‘Nobody Wins’’への参加、恋人であるシンガー、セブン・ストリーターとの共演等・・・絶えず露出し続けた中で今作「Psycadelik Thoughtz」がサプライズリリースされた。今作中には昨年10月にトレイ・ソングスをゲストに迎えて発表されたシングル‘‘Not For Long’’が収録されていないのが気になったが、B.o.B曰くもう一枚アルバムの準備があるらしく、‘‘Not For Long’’はどうやらそちらの方へ収録されそうだ。しかしながら彼の制作意欲の貪欲さには驚かされる。とっくにリリックのネタが尽きそうなペースで活動しているのにも関わらず、もう一枚作りたいとは(笑)
そんな多忙な中で急遽発表された「Psycadelik Thoughtz」だが、作品の量産によるクオリティの低下なんて事態は勿論無く・・・寧ろB.o.Bのアーティストとしての幅を広げる改心の出来となっている。本人も今作については「新たなスペシャルなプロジェクト」と発言しており、これまでリリースしてきたアルバムとは差別化を図っているのかも知れない。楽器を弾けるB.o.Bならではのメロディアスなヒップホップは今作でも健在だが、アルバム表題曲である‘‘Psycadelik Thoughtz’’のような打ち込みを前面に出した先鋭的な曲やトークボックスの持ち味を活かした‘‘Back And Forth’’や‘‘Hourglass’’等、これまで彼がリリースしてきた作品のイメージよりサウンド的に攻めた印象である。やはりB.o.Bといえばブルーノ・マーズの出世作となった‘‘Nothin’ On You’’のような歌とラップの王道的な融合のイメージが強いが、今作でアーティストとしての引き出しが更に増えたようだ。尚、彼の本来の持ち味であるサウンドは恋人であるセブン・ストリーターをゲストに迎えた‘‘Love Life’’でこれでもかと聴かせてくれる。いやあ、恋人と一緒に‘‘Love Life’’なんて歌われたら、聴いてるこっちが恥ずかしくなってしまうが、全く嫌味なく聴いてしまえるのも「Psycadelik Thoughtz」の作品としてのクオリティの高さが成せる技か。
(DJ YU-1)
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