これはクイーン・オブ・ヒップホップ・ソウルの鮮やかな帰還だ。いきなり結論から入ってしまったが、2022年の幕開けから早々に本年度のR&Bアルバムの大本命に出会ってしまった気分なのだから仕方ない。そう、シーンではすっかり大ベテランとなった Mary J. Blige が、2017年にリリースした『Strength of a Woman』以来となるスタジオアルバム『Good Morning Gorgeous』を発表したのだが、これが兎にも角にも素晴らしいのだ。あの Young Thug や Fetty Wap が所属する新鋭レーベル〈300 Entertainmet〉に移籍してからの第一弾となる今作は、所謂ヒップホップ・ソウルと呼ばれるR&Bの美味しい成分が随所に散りばめられている。と、言うことは御大メアリー姐さんの真骨頂をとことん楽しめると言う事だ。
まず、今作から先行して発表されたシングル “Amazing” は DJ Khaled がプロデュースしたアッパーチューン。同曲は、これまでも数々のヒップホップ・プロデューサーと対峙してきた彼女にとって最も相応しいタイプのトラックであり、早くもアルバムのハイライトと言って良いクオリティの仕上がりとなっている。また、アルバムタイトル曲である “Good Morning Gorgeous” や, Usher をゲストに迎えた”Need Love” , “Enough” といったバラード曲でもベテランらしい表現力を魅せてくれた Mary J. Blige に歌い手としての死角は見当たらない。つい先日に行われた米・NFLスーパーボウルのハーフタイムショーで Dr. Dre や Snoop Dogg らとスーパーパフォーマンスを演じた彼女だが、正にそのエンターテイナーぶりを凝縮した様なアルバムと言えるだろう。(余談だが、毎年大きな反響を呼ぶスーパーボウルのハーフタイムショーの中でも2022年のパフォームは近年最高の出来栄えと言える完成度だと思う)
ともあれメアリー姐さんのソウルっぷりには感服しました。
DJ YU-1