2017年9月に前作アルバム「Afterimage」でデビューを果たしたテネシー州はナッシュビル出身のR&BシンガーであるR.LUM.R。この美しい歌声を持つ男を語る上でハズせない一曲は、当然前作に収録された”Frustrated”であり、Spotify上で約2000万再生を記録するなどセンセーショナルなデビューであった事は記憶に新しい。その将来性は好事家なら誰しもが期待するところで、Rolling Stone誌の〈10 New Artists You Need to Know〉に選出された程だ。そして、この度ニューアルバムとなる「Surfacing」を発表したR.LUM.Rだが、今作でも自身の代表曲である”Frustrated”同様に美メロに満ち溢れたスムースな一枚となっている。その中でもタイトル曲である”Surfacing”や”How This Feels”、”Happy”、または”Give Me A Reason”といったミディアムスロウなバラードでは、彼の美しい歌声の一番の旨味が楽しめるのでは?(と言ってもアルバム全編がほぼそんな感じの楽曲だが)そう、決して派手さは無いが一曲一曲が粒揃いで、聴いているとあっという間にアルバムを一周してしまっているくらいだ。そんな今作はヒップホップ・ソウル的に作り込まれたR&Bよりも、生音でじっくりと練り上げたR&Bの方が好みという方にこそ強くオススメしたい。やはりこの手のシンガーは大箱よりもコットンクラブやビルボードライブの様な会場で緩〜く聴いていたいものだ。という訳でプロモーターの皆様、誰かR.LUM.Rを日本の会場に呼びませんかー??と思って彼のスケジュールを調べてみたら来年の春先までアメリカやカナダでのライブでギッチギチに埋まってました(笑)まぁ、そりゃそうだよね。
(DJ YU-1)