Release Date / Jan 1 2016
マサチューセッツ州出身のシンガーソングライター、レイチェル・プラッテン。デビューは2003年ながらも今作「Wildfire」がやっと3枚目のスタジオアルバムとなる苦労人だ。特に1stアルバムから2ndアルバムのリリースまでに8年もの期間を要し、更にいずれのアルバムもセールスは振るわなかったという不遇ぶり。それだけにレイチェル・プラッテンの名は余程コアなリスナーでない限り日本では耳にする事はなかったのではなかろうか?そんな彼女に転機が訪れたのは2015年、つい1年前の出来事だ。失った時間を取り戻すという強い信念をリリックにぶつけたシングル‘‘Fight Song’’のリリースにより自身を取り巻く環境がガラっと変わる事となる。抑揚の効いた典型的な王道ポップスサウンドに応援ソング的な歌詞がポップス界の女王テイラー・スウィフトの琴線に触れ、メディアでの露出のきっかけを掴んだのだ。これまで無名の存在だったレイチェルだが、きっかけさえ手にすればヒットを飛ばすポテンシャルを秘めていたのか、‘‘Fight Song’’で初のTOP10チャート入りを果たす。シングルチャート最高位は6位ながらも、これまで箸にも棒にもかからなかったアーティストなだけに大躍進と言って良いだろう。その‘‘Fight Song’’のヒットにより俄然リリースを期待されたアルバム「Wildfire」はビルボード・アルバムチャートで初登場5位を記録。レイチェルはデビュー13年目にして遂に全米中に存在を知らしめた。
ようやく陽の目を見た今作の注目曲はやはり‘‘Fight Song’’だが、勿論それだけでは無くどの曲もポップスとして秀逸である事を付け加えたい。奇をてらった様な曲は殆ど無いが、誰しもが《POPs》と聞いて想像し得るだろう耳触りの良い娯楽音楽となっているのだ。言い換えるなら老若男女全てのリスナーをカバーする全方位対応アルバムといったところか。日本の音楽シーンのニーズにも応える良盤と思うが、反応や如何に?
(DJ YU-1)
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