Release Date / Dec. 11 2015
これまで発表したスタジオアルバムは12枚。その内、8枚はミリオン以上のセールスを記録し、ブラックミュージックの男性アーティストでは、マイケル・ジャクソン、プリンスに次ぐ総売上を誇る‘‘キング・オブ・R&B’’ことR・ケリー。R&B豊作の年となった2015年の締めくくりに相応しい彼のニューアルバム「The Buffet」が発表された。R・ケリーと言えばR&BにHIP HOPのテイストを交えた革新的なサウンドにセクシャルなリリックという組み合わせで一世を風靡してきたが、10th、11thアルバムではゴスペル寄りなサウンドにシフトし、リリック面でもオーセンティックなシンガーとしてのスタイルを確立。ベテランらしい進化を遂げたかと思いきや、前作「Black Panties」ではR&Bへの原点回帰を図り、セクシャルなリリックにも更なる磨きをかけてきた。いや、セクシャルどころか、アルバムタイトルよろしく黒い女性用下着付きのデラックス盤まで発売する突き抜けよう・・・これが、ビルボード・アルバムチャート初登場4位を記録し、やはり世間はR・ケリーにはアダルトな曲を求めている事が印象付けられた。その「Black Panties」の流れを汲みつつ2015年仕様にバージョンアップされたアルバムが今作「The Buffet」である。
自身の様々なスタイルをビュッフェのように聴かせる意図で制作されたという「The Buffet」だが、まず8月にリリースされたリードシングル‘‘Backyard Party’’は、シングルにうってつけの華やかなパーティーチューンに仕上がっており、続いて発表された‘‘Switch Up’’では一転してリル・ウェインとジェレマイをゲストに迎えフロアライクなHIP HOPサウンドとなっている。20年以上に渡り、流れの早い音楽シーンの中で淘汰される事無くトップに居座るR・ケリーの引き出しの多さが垣間見えるリリース攻勢である。もちろん今作には‘‘Poetic Sex’’や‘‘Sextime’’といった、彼らしいペアレンタル・アドバイザリー間違い無しの楽曲も収録されている(笑)古くからのファンも若いリスナーも納得させる作品を当然の如くドロップするあたりは流石の一言。
(DJ YU-1)
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