Drake / Take Care

Release Date / Nov. 15 2011
Take Care
09年に7曲入りのEP盤「So Far Gone」にてメジャーお披露目、翌年に放ったフルアルバム「Thank Me Later」は地元カナダを始め、活動拠点のアメリカでナンバー1アルバムとなり米国内だけで150万枚のセールスを記録。2010年度の年間アルバム・チャートでも16位という成績を残し、今やアメリカのヒップ・ホップ界で3本の指に入る人気ぶり。リル・ウェイン率いるヤングマネーのフロントであり、ここ1~2年はフィーチャリング・アーティストとして誰よりも頻繁に名を連ねる人物にまで登りつめた。私がアメリカ人のパーティーでDJを務める際はダントツにリクエストを受け、ヒット曲が多いせいか範囲も果てしなく広い。本作についてはファースト・シングル「Headlines」が11月15日現在、師匠リル・ウェインの「She Will」(フィーチャリングにドレイク)を抜いてラップチャートの1位を独走中。セカンドの「Make Me Proud」はNicki Minaj とコラボしたトラックで、全米チャートのランクイン2週目に97位から9位へと大ビック・ジャンプアップ。男性アーティストでこれほどのジャンプ記録は前例がない。正式なシングル・リリースとはなっていないが、自身のブログで発表した収録曲「Marvins Room」も一人歩き状態。アルバムを一通り聞いた感触では、他にも爆発寸前の予備軍が息を潜めながら待機しているようで、本アルバムの恐ろしい可能性に震えが止まらない。そして制作陣やゲストはこれ以上ない面子で固められたわけだが、時間的に追い詰められた状態のレコーディングだったにも関わらず、そのコラボレーション多くは非の打ちようがない。今までのドレイクのパーティーソングを期待していたキッズは軽いジャブで裏切られるだろうが、私のようなオールド・スクーラーには嬉しいことに初頭からまったりとしたトラックが多い。そのサウンド感を指揮するのはドレイクの最大のパートナーであるNoah “40” Shebibによるものだが、最近は彼の健康状態がよろしくないとのことで、心理的なところも反映されているのだろうか?言い方を変えると、底なしにダークでソウルフルなのである。他にもフリークには嬉しい名作Juvenileの「Back That Azz Up」リメイク版“Practice”やスティービーワンダーのハーモニカ参加など語りつくせないほど濃い作品といなっている。

PAGE TOP