ソウルピーナッツ

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2Pac / The Underground Railroad

18年01月18日

Release Date / May 24 2017

あの2パックの自伝映画『All Eyez On Me』が何やら物議を醸しているらしい話を知ったのは、実は最近の事だ。これは全米では昨年6月に公開されたはずの『All Eyez On Me』の日本公開が、封切りから半年経過した昨年の12月29日とタイムラグがあった為だ。なので筆者はまだ作品を見てはいないのだが、なにやらUS本国ではガラケー時代に死んだはずの2パックが作中ではiPhoneを使っているのがフェイクだと叩かれているそうで・・・まぁ個人的には、その辺のディテールのいい加減さも最高にヒップホップしていて好きなのだが(笑)更に言えば文句を言われながらも映画自体の興行成績はすこぶる好調らしく、死後から何年経ってもヒップホップの中心に居座る2パックというラッパーは一体いつまでシーンを引っ掻き回すのだろうか?
と、ここまで前フリが長くなってしまったが、この『All Eyez On Me』の公開のタイミングに合わせたかのような面白いアルバムがリリースされた。それも2パックの未公開音源集だ。いや、まだ2パックに未公開曲があったのかと呆れるリスナーもいるかもしれないが、今作は今までの未公開音源とは趣向が違う。そう、今作の音源の出どころは2パック本人では無く2015年に死去したプロデューサーのデヴォン・エバンスからなのだ。この名前を聞いてピンと来た方は古参のヒップホップ・リスナーに違いないだろう。一般的に2パックのイメージといえば西海岸のギャングスタラップの第一人者で間違いないが、実は彼はニューヨーク出身でオールドスクールなスタイルのラッパーだったことは御存知だろうか?この2パックという稀代のソロMCがデビューする前に在籍していたグループこそがデジタル・アンダーグラウンドであり、同グループのプロデューサーがデヴォン・エバンスという訳だ。そしてデヴォンが2パックのソロデビュー前に録り貯めていた音源集が今作「The Underground Railroad」で、時期的にデジタル・アンダーグラウンドからソロへ移行する間の音源ということは80年代後半~90年あたりに収録した曲達ということになる。当然、今作は2パックのファンなら気になる作品に間違いないが、所謂2パックらしくない曲が多数あり、ウェッサイファンの間では賛否が分かれるのでは無いか?なんてったって冒頭一曲目の‘‘I Saw Ur Girl’’からして‘‘The Champ’’ネタのオールドスクール全開な幕開けである。確かにここまで露骨なオールドスクールは‘‘I Saw Ur Girl’’くらいのもので、後の2パックに繋がるような楽曲も収録されてはいる。しかし同一のアルバム内で、フロウやライムが80年代風味の曲と、晩年に近いスタイルの曲が混在しているのがどうしても気になってしまうのだ。そんな中で今作収録の最大の目玉は、あの2パック渾身の大ヒット曲‘‘Changes’’のプロトタイプだそうで・・・なるほど、確かにラップパートは‘‘Changes’’で間違いないが、トラックネタが有名な‘‘The way It Is’’使いではなくなっている。でもさ、本当に‘‘Changes’’のリリックってそんなに昔に書いたのかな?うーむ、なんか嘘くさいな(笑)いや、逆に言えば、このディテールのいい加減さも最高にヒップホップしているので、事の信憑性を問わなければ今作が聴いて面白い音源集なことは間違いない。
(DJ YU-1)

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