Kelly Rowland / Here I Am

Release Date / July 22nd 2011
Here I Am
デスティニーズ・チャイルドのオリジナル・メンバーで成功しているのはビヨンセだけではない。2002年に初めてリリースしたソロ作「Simply Deep」からはNellyとのデュエット曲“Dilemma”がいまだにR&Bソングの名曲としてプレイされ、同曲は2003年のGrammy Awards“Best Rap/Sung Collaboration”にて見事トロフィーを手にするに至った。そしてそのアルバム自体は世界各国で7つのゴールド・ディスクと1つのプラチナム・ディスクを獲得。グラミーの受賞に限っては2010年にも獲得のチャンスが舞い込んだが、DJ兼プロデューサーで現在のダンスシーンを沸かせているDavid Guettaのアルバム「One Love」にてリードボーカルを取った曲“When Love Takes Over”がグラミーの「Best Remixed Recording」にて2つ目のトロフィーを手にする結果となった。活動範囲は歌だけに留まらず舞台や映画、テレビにも頻繁に出演依頼が殺到し、最近ではミュージカル仕立ての「The Goree Girls」のキャストとして、またはアメリカン・アイドルを成功させた辛口評論家Simon Cowellに引っこ抜かれ、イギリスのタレント・ショウThe X Factorのジャッジを務めるなど大忙しである。本題の新作「Here I Am」についてだが、先にも述べた通りDavid Guettaと共にグラミーでの成功を収めたのを機にだろうか、デスチャの面影を残すことをなく、本作がダンス・ミュージック色が強めに制作されているのに多少の違和感を抱いた方も多かろうと思うが、個人的にはこの路線に身を委ねた彼女にある意味、二度目の恋に落ちたような想いを寄せた。今回のリード・トラックとなった“Commander”は再びデイヴィッドとタッグを組み、同トラックをUSダンスチャートの1位に送り込むことに成功。セカンド・シングルの“Motivation”はR&B/Hip Hopサイドで大いに受け入れられ、2010年8月現在も総合チャートの上位に食い込んでいる他、R&Bチャートでは何週にも渡って不動の1位を記録した。勿論、制作にクレジットを残したJim Jonsin、Rico Loveのセンス、そしてゲストで参加したLil Wayneの協力も欠かせないのだろうが、ケリーという女性シンガーの魅力を贅沢なほど楽しめるトラックが“Motivation”である。他に収録曲の制作陣で気になるのはRodney Jerkins、Ester Dean, Tricky Stewart、RedOne、The Runnersなど現在のシーンを賑わせる注目株の出現に驚かされる。ちなみに個人的なお気に入りはケリーローランドのセクシーさがたっぷり伝わる“All of the Night”。

PAGE TOP